※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.266(2025年6月26日配信)からの転載になります。
中国スマホ最大手の小米(シャオミ、Xiaomi)が埼玉県の2カ所で国内初の実店舗を開業したという報道が4月にありましたが、最近ここを訪れた方に話をうかがうと「驚愕の連続だった」と言われていました。
スマホなどの主力製品は無論、テレビ・洗濯機・冷蔵庫などの白物家電から、炊飯器・ロボット掃除機まで200点ちかい商品群が並べられていたのにまず驚いたそうです。
シャオミは私の認識でもスマホ事業が中心でしたが、中国では2015年から販売店「小米之家」の展開を始め、中国の店舗では売上の5割を家電が占めているそうで、そのモデルを踏襲し、日本のファミリー層を中心に家電市場を開拓するということのようです。
数年前まで爆買いツアーで訪日した中国人の多くが、日本の炊飯器を買い求めていたことを思うと驚きです。店舗に並んでいた炊飯器は日本製をコピーした製品ではなく、ご飯を炊くだけではなく、野菜・ケーキ・などのおいしい料理も調理できるスマート炊飯器のようです。Wi-Fiサポートにより、炊飯器をリモートで制御して、家に帰ったときに料理が温かく準備されていることを確認できるということです。それが5,000~6,000円台という価格で購入できるということです。日本製が3万円前後ということを考えると1/3以下です。
「ここまでくるとオリジナル商品。日本人が持っていた改良・改善のノウハウを中国がそっくり踏襲し、日本人以上の商品を発表している。ほどなくして消費財の多くが中国製品に置き換わるのでないか」と話していたのが印象的でした。
最近は板金業界でも、ファイバーレーザ加工機をはじめ、さまざまな中国製板金機械が日本市場に入り込んでいます。当初は安かろう悪かろうとたかをくくっていましたが、実際に使われているお客さまの声を聞くと「意外に使える」と、きびしい意見は少ない印象です。日本で良いビジネスパートナーが見つかり、サポート体制が整えば、日本メーカーにとっては手ごわいライバルになりそうです。
あらためて中国との付き合い方をリセットして、考え直す必要があると思いました。