自己責任で取り戻す“日常”【メルマガ連携】

※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.156(2021年4月27日配信)からの転載になります。

 

4都府県に3回目の緊急事態宣言が発出されました。

 

今回は短期間で感染者数を大幅に減らすため、大型商業施設やテーマパーク、カラオケや酒類を出す飲食店への休業要請など、昨年4月7日に発出された1回目の緊急事態宣言並みのきびしい対策が採られました。

 

しかし、1回目と比べると人出の減少幅は少なく、その効果は疑問視されています。1回目の緊急事態宣言が発出された昨年4月7日の東京都の新規感染者数は87人。国民は感染の恐怖におびえ、街から人が消え閑散として静まりかえり、通勤電車もガラガラでした。

 

しかし現在、感染者数が10倍ちかくに増加しているにもかかわらず、人々は自粛慣れし、休業要請に従わず営業する店に人が集まり、混雑状態。罰則をともなわない「要請」や「自粛」の限界を感じます。

 

その一方、感染が始まって1年以上が経過しているにもかかわらず、人口あたりの病床数では世界でトップクラスといわれながら、感染した患者を受け入れる病院数は大きく改善されておらず、「医療崩壊」という言葉が相変わらず使われています。ワクチン接種も主要先進国と比較すると遅れが目立っています。経済回復の遅れに対する懸念も広がっています。

 

取材でお目にかかる経営者からは「政治には期待できない。自己責任で感染予防対策をして社員と会社を守るしかない」といった声が聞かれるようになりました。こうした企業では受付に検温計、アルコール消毒液、入退出を記録するノートが置かれ、社内のいたるところにアルコール消毒液が設置されています。一部の企業では、事務所内に飛沫感染防止のための透明ビニールシートが、応接室にアクリル板が設置されています。

 

社内で感染者が発生し、濃厚接触者が自宅待機になると生産が止まることもありえるので、得意先への供給責任を果たすためにもBCP対策が徹底されています。社員には朝礼などで宴会や夜間外出の自粛を呼びかけています。しかし、そこまで徹底しても社員やその家族が感染するケースが増えており、ここへきて感染対策をさらにきびしくする傾向が現れています。

 

上場大手企業は、直接面談や面談には慎重になっています。そのため私たちの取材活動にも再び影響が出始めています。今や「非接触」「遠隔」があらためてビジネスの基本であることを再認識しています。

 

現状が大きく改善することは難しく、ワクチン接種により集団免疫獲得の状態になるまでには1年以上かかると予想されています。

 

“普通”ということの有り難さを考えます。