※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.214(2023年6月30日配信)からの転載になります。
先日ある経営者にお目にかかった際、京セラ名誉会長で昨年8月に亡くなった稲盛和夫氏の「君の思いは必ず実現する」という著書の話題から、経営者の「思い」について話が弾みました。
その経営者はご自身の経験から、愚直なまでに「思い続ける」ことで、「思い」は必ず実現すると話され、「それができるのが経営者」とも語っておられました。たしかにその企業はここ10年で事業を大きく拡大されるとともに、板金事業以外の新事業にも果敢に挑戦され結果を残されてきました。「何度もピンチはあったが、思い続けて結果を残してきました。ひたむきに『思う』ことで、応援してくれる社員も増えました」と語っておられました。
同じような話を、二十数年前にお目にかかった経営者からもうかがったことがありました。その経営者は、明治・大正・昭和・平成と長く活躍され、97歳で亡くなられた詩人・坂村真民の『念ずれば花ひらく』という詩集を座右の書にされ、帰り際にはその詩集をプレゼントされました。
その経営者は、真民の「本気」という詩の「本気になると世界が変わってくる 自分が変わってくる 変わってこなかったら まだ本気になっていない証拠だ」という一節と、『念ずれば花ひらく』を社員や友人、知り合いにも紹介されています。
おふたりの経営者にとっては「思う」ことと「念ずる」ことは同じ意味を持っています。「本気」になって「思う」「念ずる」ことの大切さだと思います。
その取材の後から、私も真民のファンになりました。私は「本腰」という題の「なにごとも 本腰にならねば いい仕事はできない 新しい力も 生まれてはこない 本気であれ 本腰であれ」という詩が好きです。
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