※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.130(2020年4月30日配信)からの転載になります。
「緊急事態宣言」の発出で、私たちの仕事もテレワークへシフトしました。
この原稿も自宅でまとめています。
直近の感染者数の動向を考えると、短期間での収束は望めそうにもありません。
5月6日を期限としていた緊急事態宣言も、延長される方向で調整が進んでいます。
今後も第2波、第3波が押し寄せてくるという専門家の見方もあり、長期化を覚悟しなければいけない事態になっています。
世界では感染者の数が300万人超えとなり、亡くなった方の数も20万人を超え、今なお増え続けています。
致死率も7%あまりと、高まる傾向になっています。
イスラム圏では最大の宗教行事であるラマダンが4月23日から5月23日まで行われ、聖地メッカへの巡礼者の数がピークをむかえます。
サウジアラビア政府などはメッカ巡礼者の入国を認めないと発表し、その他のイスラム諸国もモスクなどの礼拝所を閉鎖する動きが現れています。
しかし、信仰心の強いイスラム教徒は、メッカへの巡礼やモスクでの礼拝で新型コロナウイルスに感染し、死に至っても、殉教者になれるという考えが強く、規制を守らない人々が多く現れることも想定されます。
100年前の1918年から1920年に流行した「スペイン風邪」は、全世界で感染者が約6億人、2,000万~4,000万人が亡くなりました。
日本では、1回目の流行は1918年8月下旬から9月上旬より始まり、10月上旬には全国に蔓延しました。
流行の拡大は急速で、11月には患者数・死亡者数とも最大に達しました。
第2波の流行は1919年10月下旬から始まり、1920年1月末がピークといわれています。
日本だけで患者総数は2,300万人、亡くなった方は38万人という規模になりました。
のちにスペイン風邪は、新型インフルエンザウイルスによるものと確認されています。
今回、厚生労働省のクラスター対策班にも参加する北海道大学の西浦博教授は、不要不急の外出制限を行わなかった場合には、収束までに国内で42万人が亡くなるという試算を発表しています。
100年前に起きた惨劇が再び繰り返される可能性があるということです。
100年後の今を生きる私たちは、こうした事態だけは避けなければいけません。
今は私たち一人ひとりに、できることは何か考え、行動することが求められています。
先日、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車・社長)が、自動車工業4団体の共同記者会見で、こんなメッセージを発表していました。
「世の中にはコントロールできる話とコントロールできない話がある。コントロールできないことに深刻になればネガティブになる。自分がコントロールできることをしっかりやっていこう。コントロールできないことを誰かがやってくれていたら感謝しよう」。
私もこの言葉に従って、感染拡大を止められない現実を批判する前に、自分ができることをしっかりやることで感染しない、感染させない努力をします。
そして、ウイルスと戦う医療従事者のみなさんに感謝したいと思います。
みなさんもそれぞれの立場で、それぞれの努力をしていきましょう!