※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.274(2025年10月31日配信)からの転載になります。
政府が発表した9月の⽉例経済報告は「足元の景気は緩やかに回復している」となった。また、日銀短観の業況判断DI(最近)は「⼤企業・製造業」で+14(前回比+1ポイント)と2四半期連続の「改善」、「中⼩企業・製造業」は+1(同±0ポイント)と「横這い」が持続した。
月例経済報告では、先行きについて「雇⽤・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を⽀えることが期待されるが、⽶国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個⼈消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、⾦融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があるー」とした。
また、日銀短観の業況判断DI(先⾏き)も、「⼤企業・製造業」が+12(前回比△2ポイント)、中⼩企業は△1(同△2ポイント)となった。おおむね、雇⽤・所得環境の改善や各種政策の効果がゆるやかな回復を⽀えることが期待されているが、⽶国の通商政策の影響による景気の下振れリスクへの警戒感が表れているといえる。
こうしたマクロ経済への見通しの中で、月例経済報告では企業の設備投資について「⾜元の設備投資は、緩やかに持ち直している」としており、日銀短観の2025年度設備投資額(計画)では「大企業・製造業」が6月調査の+14.3%から、9月調査では+16.3%、「中小企業・製造業」が6月調査の+1.6%から9月調査では+3.4%といずれも上昇しており、足元の設備投資は回復している。
これを象徴するかのように、日本工作機械工業会が発表した9月の受注総額(確報)は7カ⽉連続の1,200億円超え。1,100億円超えは56カ⽉連続。前年同⽉⽐では3カ⽉連続増加の1,391億円で、このうち内需は436億円と6カ⽉ぶりの400億円超えとなった。
しかし、1月から9月までの受注総額は1兆1,652億円(前年同期⽐+5.9%)となったが、内需だけをみると3,333億円(内需⽐率28.6%)で前年同期⽐△0.2%となった。主要4業種は、「航空・造船・輸送⽤機械」が前年同期⽐で⼤きく伸⻑。全11業種では、「⾦属製品」「電気機械」など4業種で前年同期⽐が増加した。
この数字を見る限り、国内の設備投資は⾃動⾞関連の停滞感が濃く、回復に向けた動きは鈍く、大きく改善しているわけではないが、「横這いで推移している」ことになる。
先行きへの警戒感が強いだけに25年度下期の設備投資動向は慎重に見ておく必要がある。







