中小企業・小規模事業者支援施策を考える時期【メルマガ連携】

 ※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.196(2022年10月27日配信)からの転載になります。 

 

 

中小企業・小規模事業者は、円安、コロナ禍、原材料価格をはじめとした企業物価の高騰など、きびしさを増す外部環境を生き抜くために、さまざまな課題に果敢に取り組んでいかなければなりません。

 

このような中小企業・小規模事業者を支援するために、国や地方自治体などは毎年、補助金や優遇税制などさまざまな支援策を講じていますが、これらの支援策の存在を十分に把握している中小企業・小規模事業者は一部であり、実際に活用する企業はさらに限られます。

 

全国には中小企業・小規模事業者は約350万社(2016年度調査)あるといわれていますが、こうした支援策を知らない企業も多いと見られます。仮に知っていても、実際に申請書を作成して応募するなどの作業まで手がまわらない企業は多いと思われます。

 

ここ最近おうかがいするお客さまは、リーマンショックや東日本大震災以降に、国や自治体が創設した各種補助金事業に応募し、設備投資額の最大2/3を補助してもらい、高額な設備を導入されるケースが非常に目立ちます。中には、ここ数年で設備投資した建物・設備への投資額の3/5を補助金でまかなっている企業もあります。

 

「設備投資のインセンティブとして補助金効果は絶大」と絶賛する経営者も多くいます。直近では最大2/3の補助率が期待できる事業再構築補助金やサプライチェーン補助金に応募した企業が増え、補助金額が1件あたり数億円の事業が採択された企業も見られます。中には、年度は異なるものの事業再構築補助金とサプライチェーン補助金にダブルで採択された企業もあります。

 

各種補助金事業に申請するためには募集要件を満たすだけでなく、事業計画や事業の目的を明確に記した申請書を作成する必要があり、この作業に苦労される企業も多いようです。申請書作成に際しては、各地域の中小企業診断士会などに相談すると、アドバイスしてもらえる中小企業診断士を紹介してもらえます。また、導入を勧める設備メーカーに相談しても、中小企業診断士や経営コンサルタントを紹介してもらえます。

 

申請に必要な諸手続きを中小企業診断士やコンサルタントに一任するやり方もあるようです。ただ、その場合には成功報酬として、採択された補助金額面の10%程度を支払うことになるようです。

 

国や自治体が補助金事業を今後も継続することが難しくなりそうな財政金融状況も生まれており、支援施策を利用する中小企業・小規模事業者も補助金や設備投資との向き合い方について再考する時期にきている気がしています。