※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.207(2023年3月30日配信)からの転載になります。
3月22日、野球のWBCで日本はアメリカに3対2で勝って3大会ぶり3回目の優勝を果たしました。
前日の準決勝戦でもメキシコに9回裏に1点差を逆転で勝ち抜き、2日間続けての手に汗を握る熱戦を多くの日本人が固唾をのんで見守っていました。準決勝戦が行われた21日は祝日で休みということもあって、私は試合経過を見て日本の負けを予感して買い物に出かけました。ところが道路に車も、スーパーに買い物客も少なく、大半がテレビ観戦していたようです。
22日は平日ということもあってテレビ観戦はできませんが、多くの人がスマホで試合経過を見ながら仕事をしていたようです。板金工場の中には従業員の作業に身が入らず、事故が起きては大変と、試合終盤には工場内の端末に試合をLive配信、仕事の手を止めて大半の従業員が試合を観戦したところもあったようです。老若男女を問わず日本中がスポーツの試合経過に、これほど一喜一憂したことはなかったと思います。日本の優勝が決まった直後からテレビの特番、新聞は号外と盛り上がりが過熱しました。新聞各社が配った号外を集めて写真撮影、その画像をSNSに投稿した知り合いもいました。
そして多くの人に感動を与えたに違いないのが、MVPを受賞した大谷翔平選手が決勝の試合に臨む前のロッカールームで、試合に臨む選手たちに向かい「憧れてしまったら超えられない。今日僕たちは、超えるために来た。トップになるために来た。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さあいこう!」と挨拶した発言の言葉です。私は夜のニュース番組でその時の映像を見て知りました。アメリカ大リーグに敬意を表す一方で、戦いに勝つという強い意志が伝わってきました。この時のシーンと発言がWBCの中で一番感動した場面でした。
大谷選手はメキシコ戦での逆転劇の際も、トップバッターとして二塁打を放ち、2塁上で日本チームのベンチに向かい、両手を上下させて選手を鼓舞、その様子をテレビ映像で見ていたので、彼には選手からポジティブでアグレッシブな戦う意欲を引き出す天賦の才があることを知りました。
それにしても「憧れてしまったら超えられない」という言葉には含蓄がり、これからいろいろな場面で引用されるフレーズになると思います。とにもかくにも日本中を元気にしてくれた快挙に「ありがとう」を言いたい。