今年も異常気象が続いています。
空梅雨で終わったかと思えば、南から湿った空気が流れ込み、寒気とぶつかって大気が不安定になり、いわゆるゲリラ豪雨が全国的に発生。土砂災害警戒情報が毎日何処かで発表されるような日々が続きました。
さらに過去3番目の長寿台風となった5号は、ゆっくりとしたスピードで列島を縦断。豪雨による被害を全国にもたらしました。
今年は偏西風の風向きが変わり、日本海の海水温度が平年よりも2~3度上昇したことも、長寿台風となった要因のようです。
私も神戸からの復路の新幹線が静岡県内で豪雨の影響で止まり、車中で30分ほど足止めをくいました。
異常気象は日常生活にも様々に影響を与えています。
政府が発表した7月の景気ウォッチャー調査(街角景気)では、状況判断DIは先月比で低下して49.7となり、基準値の50.0を割り込みました。
低下の要因は、九州を中心とした豪雨による水害、土砂による被災が挙げられていました。
さらに夏のレジャーにも影響が出て、海外からの訪日外国人は増加しているにもかかわらず、日本人の旅行がいまひとつ盛り上がりに欠けているといいます。
ところで、板金業界の景況感は地域・業種などによって様々です。
好調な自動車産業の地元、中部地区では“超多忙”というサプライヤーが多い反面、関西へ行くと「繁忙感は少ない。東京五輪関連の仕事も名古屋止まり。関西までは流れてこない」と弱気な経営者が目立ちます。
ところが、経済産業省が先ごろ発表した全国の都道府県がこの5年間(2010~2015年)の鉱工業生産指数の変化にどれだけ貢献したのか(日本の鉱工業をどれだけ盛り上げたのか)まとめた資料によると、愛知県・三重県・石川県・福井県といった中部地方西部と近畿地方の京都・大阪の2府はプラス寄与が大きくなっています。
このことが板金需要と直接結びつくかわかりませんが、中部から東で仕事が多く、西日本の仕事は少ない、という理由はあまり当てはまらないと思います。
やはり経営者が社内外に示す企業のビジョン、ミッション、バリュー ― “企業理念”がしっかり社員やお客さまに伝わらなければ信頼がともなわず、業績回復が遅れる気がします。
経営者のリーダーシップが問われていると思います。
ビジネス書などを読むと「経営者はゴールを見失ってはいけない」という言葉が書かれています。
特に経営者がプレーヤーを兼務しなければいけない中小企業では、このことが重要だと思います。
プレーヤーはどうしても試合を組み立てるプロセス重視になりがちです。
しかし、ゴールへシュートを叩き込まなければ勝利の女神は微笑んでくれません。
経営者は常にゴールを見失わず、攻めるべきです。
その意味で好調業種、企業を攻めまくることが大切だと思います。
最近お会いした若手経営者の中には、ポスト五輪のことも考え、戦後70年が経過して老朽化が目立つ社会インフラ関連産業・企業に的を絞った営業活動を進めようと活動する方も目立ってきました。
チャンスはまだまだあります。
経営者のマインド、企業理念が大切だと思います。