私たちはコロナ禍から何を学ぶのか


 ※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.134(2020年6月25日配信)からの転載になります。

 

新型コロナウイルス感染症に対応した非常事態宣言が解除され、都道府県をまたぐ移動制限もなくなり、社会生活も以前の状態に少しずつ戻りつつあります。

 

しかし、世界では毎日15万人以上が新規に感染し、まもなく累計感染者数は1,000万人を突破します。亡くなった方の数も50万人に届こうとしています。

 

WHOは、感染拡大の第2波へ向けた警戒を怠らないように呼びかけていますが、休業による失業者の増加などから、社会経済活動の本格再開を急ぎたい各国政府の思惑もからみ、難しい状況が続いています。国をまたぐ移動制限も緩和されれば、今後は海外から持ち込まれるウイルスの流入を防ぐ水際対策が肝要になります。

 

心配なのは、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、私たちの生活が以前の状態に戻ったと安心して、感染予防の手を抜くことです。すでに休日の繁華街は以前の賑わいが戻っており、夜の街に繰り出す人々も増えています。店を開けなければ収入を得られない飲食店や小売店は客足が戻ったことを歓迎していますが、感染予防を怠ると大変なことになります。

 

最近は、蒸し蒸しする電車内でマスクをはずしている乗客も散見され、時には「マスクを着けろ」「着けない」と口論する場面に出くわすこともあります。公共交通機関や公の場所での感染予防マナーは必須で、利用する人々が一人ひとり自覚して、マナーを守ることが求められていると思います。

 

小説家の真山仁氏は日経ビジネスのインタビューで、これまでは「『自粛』という名の『強制』だった」ため「急速に起こった変化には、同じく急速に元に戻ろうとする力が働く」、「自発的(中略)ではないので、多くは従来のやり方に戻ってしまう」、「『コロナ禍から何も学ぶことができないのではないか』と懸念している」、「コロナ前の社会に戻そうという力の方が大きくなる恐れがある」、「コロナ禍を克服した各国が本当に新しい生活様式を定着させるとすれば、日本はまた置いていかれる」と新型コロナに対する日本人の課題を指摘していましたが、その考えに強く共感しました。

 

私は休日の里山散策を習慣とし、先日は山桃の実との嬉しい出会いがありました。しかし、この2週間は以前に比べると歩く人の数が減ってきていると感じます。以前は虫取り網を持った子どもを先頭に家族が連なり、飛び始めた蝶を追ったり、まだ上手くない鶯のさえずりの真似をして笑い声が上がったりしていました。そんななごやかな親子連れの姿も、ここにきて少なくなりました。

 

移動制限が緩和され、電車や車で好きなところに出かけられるようになり、自粛中の「解除されたらどこに行きたい?」「それまで我慢しようね」の約束どおり、親も子もワクワクして出かけているのだと思われます。全面収束はまだまだ先のことですが、我慢ばかりでは心身にも影響が出てしまうでしょう。

 

withコロナ ― 私たちはコロナ禍から何を学ぶのか、改めて問いかける必要があると思います。

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