平成27年新春に思うこと/「グローバルスタンダードへの対応を考える」【メルマガ連携】


※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.3(2015年1月15日配信)からの転載になります。

 

関連業界団体の賀詞交換会や、昨年末に訪問した板金工場の経営者とのお話を通じて、改めて板金業界のグローバル化について考えさせられました。

 

日本がガラパゴス化しないためにも世界標準、世界のデファクトスタンダードへの対応が課題となっています。

板金業界にとっては需要業界のトレンドであり、JISに準拠しておけば問題ないという観点だけではなく、業界を取り巻く環境の変化ということで見ておく必要があると思います。

 

例えば、板金業界にとってなじみの深い配電盤業界は、内需関連産業であり、製品を海外へ輸出する割合は高くはありません。

しかし、製造業の海外移転が進むことで、特に工場設備向けに受注してきた配電盤や分電盤の仕事が海外へ流出する傾向が顕著になっています。

 

ところが、海外で盤を製造するためには、電気設備技術の国際標準規格(IEC規格)の認証を取得することが前提となります。

さらに、IECだけでなく、米国のUL規格などの海外主要規格に対応することも必要になってきます。

 

今後の経済発展が期待される新興国では、送配電網、移動体通信の普及に即応した通信インフラ、道路や鉄道などの交通インフラなどの整備に関連した需要の拡大が期待されています。

そこには当然、新たな板金デマンド(需要)が起きてきます。このデマンドに対応するためには、グローバルスタンダードへの対応が必須となります。

 

例えば、海外鉄道インフラ需要の開拓にあたって、国土交通省や一般社団法人日本鉄道車両工業会では、鉄道の海外発展のためには鉄道製品の国際認証が欠かせないとして、独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センター(IA Japan)の認定を受けた、独立行政法人交通安全環境研究所鉄道認証室(NRCC)が、安全性や信頼性を評価し、認証した鉄道部品の採用を進めています。

 

日本鉄道車両工業会の平成27年新春懇親会で、来賓として挨拶された国土交通省の藤田耕三鉄道局長も「海外の様々な鉄道プロジェクトに参入する日本企業は、日本で唯一、鉄道製品認証を発行することができるNRCCの認証を取得してください」と強調されていました。

 

昨年まではこうした発言がなかっただけに、発展が期待される海外の鉄道プロジェクトを受注するためには、グローバルスタンダードへの対応が必須であることが、今さらながら鮮明になりました。

 

今後、板金業界の主な需要先である産業界では、これまで以上に海外シフトを強める傾向にあります。

そこで派生する新たな板金需要を掘り起こすために、板金業界はIECをはじめ、世界標準の製品規格への対応を考えておかなければなりません。

 

石川 紀夫(Sheetmetal ましん&そふと 編集主幹)

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