今年の春は百花繚乱【メルマガ連携】

※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.78(2018年3月31日配信)からの転載になります。

 

今年の春は、いつもの年よりも早く、駆け足でやってきました。

例年なら辛夷(こぶし)や木蓮(もくれん)、海棠(かいどう)、木瓜(ぼけ)などが咲き終わった頃に、桜が開花して春爛漫を迎えますが、今年は辛夷や木蓮、海棠が咲き始めるのとほぼ同時に桜が開花、まさに百花繚乱の春になりました。

 

毎年、木五倍子(きぶし)に始まり、春の花々が咲くこの時期を楽しみにしている私も、これまでに経験したことない風景で、心弾む思いと、花をめでる時間もない慌ただしさに驚いています。

 

と同時に、花粉症で杉から檜と休む間もなく猛烈な攻撃を受け、目のかゆみとくしゃみに悩まされ、早く季節が移ろってほしいと、春を恨めしく思っている方も少なからずいらっしゃいます。

気温のゆるみと背景の緑色が濃くなるこの季節、立場が変われば悲喜こもごもだと感じています。

 

さて、世の中では朝鮮半島の非核化を巡って急激な変化が起きており、これも驚きです。

中国では3月に開催された全人代で、習近平国家主席の多選を禁じていた憲法が改正され、長期政権が可能となりました。

ロシアでは大統領就任が16年にもおよぶプーチン大統領の長期政権が、これからも続くことになりました。

 

その一方で、日本では森友学園を巡る財務省の文章改ざん事件が発覚、安倍政権に対する信頼感が一気に瓦解し、日本の政局にも変化が起きる気配が生まれています。

米国・トランプ政権の保護主義政策が一段と顕著になり、自由貿易の枠組みに変化が起ころうともしています。

このなかで、日本が置かれた現実を改めて問い直す必要が出てきていると思います。

 

人口減少が進み、若年労働人口がますます減少する中で、日本が世界に誇ってきたモノづくり分野でも、日本の「品質神話」を覆す様々な出来事が目につくようになりました。

特にここ数年、「Made in Japan」の信頼を損ねる品質データの改ざん・捏造が様々な企業で発覚、その責めを負って企業のトップがいとも簡単に辞任に追い込まれる事案が目立っています。

 

さらに、IT活用によってモノづくりの現場では「経験」や「勘」と呼ばれてきた暗黙値が、デジタル化という流れによって雲散霧消する傾向が顕著になっています。

 

最近、大手企業を回って、IoTに関する話をさせていただくと、「勘+経験+データでヒトづくりをするのがIoT」という話を耳にする機会が増えてきました。

「IoTで仕組みができても、そこで働くヒトのモチベーションが変わらなければ、うまく運用ができない」とも聞きます。

「ヒトづくり」という言葉で一気に片づくとは思いませんが、考えさせられます。

 

もう少し、じっくりと本腰を入れて仕事に取り組みたいとは思いますが、この春と同じように駆け足で進んでいくので、ブレーキとアクセルをうまく使い分けて、流れの先端を見極めていきたいと思います。