2017年を展望する
主要業種別トレンド分析
食品・医療・半導体関連の需要が底堅い
板金関連12業種のトレンドを探る
新春号の恒例企画として、2017年の業種別の業況見通しをトレンドとしてまとめた。
2016年は4月頃まで景気に明るさがなかったが、5月以降は半導体デバイス業界などで製造装置の受注が大きく伸びるなど、業況に明るさが戻ってきた。主な要因としては、ビッグデータの利用拡大のためデータセンターなど産業向けの需要が増えたこと、スマートフォンやネットワーク家電に搭載するためメモリー半導体の需要が好調に推移したことなどが挙げられる。こうしたトレンドは、数年ほど続くと見込まれている。
また、2020年に開催される東京五輪関連の特需として、競技施設やインフラなどの建設計画が徐々に具体化しており、建設業界に明るさが出始めている。その一方、ポスト五輪の不況に備え、今のうちから競争力強化のための設備投資に踏み切るケースも増えてきており、10月以降の業況は全般的に緩やかに回復してきた。
しかし2016年11月、「アメリカ第一主義」を掲げるドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に就任することが決まったことを受け、金融市場では“トランプ・ショック”が発生、一時的に円高・株安となった。選挙後のトランプ氏は、選挙戦当時の過激な発言が影を潜め、国内インフラ投資の拡大をはじめ、景気対策に積極的な発言が目立ち、ドル高が加速、それによって円安・株高が続いている。
ただ、トランプ氏が1月に第45代米国大統領に就任したあとに実行する政策については予断を許さず、景気の先行きは見通せない状況だ。また、2017年は欧州の政治情勢が大きく変わる可能性もある。4月に行われるフランスの大統領選挙や、秋に行われるドイツの連邦議会選挙などを控え、英国のEU離脱や難民受け入れで揺れる欧州では、ポピュリズムの台頭が進み、情勢の不安定化や激変が起きる可能性がある。
個人消費をはじめとした内需がGDPに占める割合の8割以上を占める日本は、アベノミクスによる成長戦略の推進が急務となっている。2017年前半は欧米の政変が景気に大きく影響する可能性があり、後半は成長戦略次第という見方もある。
2017年は、製造企業は足もとを固め、着実な発展を目指すことが求められている様相だ。
つづきは本誌2017年1月号でご購読下さい。
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