「FOOMA JAPAN 2024」開催
食品製造プロセスの最先端ソリューションが集結
惣菜盛り付けなど人手不足解消に貢献する自動化提案が活発
出展者数は過去最多、来場者数は11万名超え
世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2024」が6月4日から7日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された。主催は一般社団法人日本食品機械工業会。食品機械・装置および関連機器を中心に、食品製造プロセスに関わるあらゆる分野の企業が集結し、最先端の技術・製品を披露した。
出展者数は989社で、前回の969社から20社増え、3年連続で過去最多を更新した。会期中の来場者数は前回比9.3%増の11万3,777名だった。そのうち、海外からの来場者数は同7.9%増の5,541名で、コロナ前に開催された2019年の5,134名を上まわった。
麺類など惣菜盛り付けの自動化提案が目立つ
人手不足が深刻化する中、今回も自動化・省人化への対応が大きなテーマとなっていた。中でも中食市場の拡大に対応する惣菜盛り付けの自動化技術、フードロス削減や食品流通の多様化にも貢献する冷凍冷蔵技術の提案が目立った。
出展製品の中から研究開発の面で特に優れた製品を顕彰する「第3回FOOMAアワード2024」では、応募総数28件の中から不二精機の「パスタ供給装置(DHP)」が「最優秀賞」に選ばれた。麺をほぐして分割し、容器の上に盛り付ける装置で、「容器を1枚ずつ供給する作業」「麺をほぐす作業」「計量し盛り付ける作業」を自動化。独自機能により、品質を維持した定量分割が可能になる。
同機をはじめ、今回は麺類を対象とする計量・盛り付けの自動化ソリューションが多く見られた。一般的に麺類の盛り付けラインは、ほぐす作業などの準備から盛り付け、包装までに10人弱の人員が必要になる。しかし、麺類は不定形でからまりやすく、これまではロボットなどによる自動化が難しかった。
イシダは、食品の把持・計量・搬送を自動化する「マッチング計量機(GCW-V)」を出展した。独自形状のハンドにより、これまで定量計量の自動化が困難だった麺類や惣菜類の自動計量を実現した。
中西製作所は、「水素調理」「食品殺菌装置」「パスタ計量盛付装置」などの先進技術を紹介した。パスタ計量盛付装置は、既存の生産ラインに導入できるように省スペース化を重視。「コンビニベンダーで多くの人員を配しているパスタの計量・盛り付け作業を一気に省人化できる」とした。
大和製衡は、パスタの計量・トッピング・検査・包装の自動化ラインを出展した。ライン上に4台の自動計量機を並べ、「パスタ」「ベーコン」「ブロッコリー・ピーマン」「ウィンナー」の計量・盛り付けを行った後、アールティの人型協働ロボット「Foodly」がミニトマトをトッピング。麺類を含む多様な食材に対応できる計量機のラインナップをPRした。
つづきは本誌2024年7月号でご購読下さい。