Interview

“MOTTAINAI”エンジニアリングで、サステナブルな循環型社会の実現を目指す

従業員が心豊かな生活を実現できる企業活動

株式会社 XEN GROUP 代表取締役 高畑 洋輔 氏

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画像:“MOTTAINAI”エンジニアリングで、サステナブルな循環型社会の実現を目指す高畑洋輔氏

1967年設立の㈱タカハタは創業55年目にあたる2022年1月に、4つの事業からなる㈱XEN GROUPに社名変更した。「XEN」は最善を、「GROUP」は社内外の信頼関係を表している。

4つの事業は、①モノづくりをベースとしたSDGs達成に向けたビジネスモデルの開発。食品のポテンシャルを最大限に高めることを目的とした食品熱交換装置や、廃棄する食品のアップサイクリングを目的とした乾燥機など、自社ブランド機械・装置を開発・製造・販売する「XEN BRAND事業」。②他社の機械装置や部品、制御装置・電源装置などの開発設計・製造を担う「MACHINE事業」。③自社開発の食品機械を利用して食品工場の運営、付加価値を提案するビジネスモデルの構築・開発を担う「FOOD事業」。④持続可能な農業を追求する「AGRI事業」となっている。

高畑洋輔社長は1979年生まれ。大学卒業後、大手工作機械メーカーを経て2005年に父が経営する㈲高畑電機へ入社。31歳で3代目社長に就任し、2011年に㈱タカハタに、2022年に㈱XEN GROUP(ゼングループ)に社名変更した。

社名変更への想いやこれからの経営の考え方について、高畑社長に話を聞いた。

会社は幸せをつくる場所

― 2022年1月に㈱XEN GROUPに社名を変更されましたがこの狙いは何ですか。

高畑洋輔社長(以下、姓のみ) 当社は「Happiness Maker」を経営理念に掲げ、モノづくりを通じて、全従業員が心豊かな生活を実現できる企業活動を追求しています。行動指針として、「情熱」を持ってことにあたり、「信頼」することで人を育み、変革することで「進化」する、と定めています。当社の成長を支えてくれているのは、従業員一人ひとりの「素直な心」だと思います。この仲間たちともっと楽しみながら世界でも通用する仕事をしたい! ― この強い思いが事業拡大の原動力となってきました。

新社名のXEN(ゼン)は最善を意味し、「全員で“善(よきこと)”」を行うという強い意志を示し、頭文字「X」は、無限に広がる未知への可能性、ご縁や出会いに感謝し関わりを大切にするという思いを表現しています。「GROUP」とは社内外の信頼関係を表しています。「モノづくりは世界を豊かにする」と本気で思える仲間が必要だ、と考え社名変更しました。

画像:“MOTTAINAI”エンジニアリングで、サステナブルな循環型社会の実現を目指す㈱XEN GROUP本社・工場の航空写真

「最強の下請け」と「自社製品への挑戦」の両立

― 2005年に入社され、18年を駆け足で来られました。

高畑 祖父が創業、父が配電盤・分電盤に特化して板金加工を始めて事業化、私が3代目の社長になります。私が入社して間もない頃は、従業員も十数名で典型的な家族経営でした。売上に見合わない高額な設備やシステムの導入、従業員に仕事以外の負担をかけることになった各種認証取得など理想と現実が乖離するようなこともありました。資金繰りにも困窮しましたが、とにかく売上を増やさないことには会社の運営ができないと考え、2007年に本社・新工場建設に踏み切りました。取引先からは「無謀だ」「倒産する」と心配の声ばかりでした。

工場が大きくなったことで、それまでは受けることができなかった仕事を受注することができるようになり、徐々に売上も拡大していきました。しかし、地道に活動し信用を得られるようになった矢先のリーマンショックで売上が減少。比較的安定している業種の仕事がメインだったので安心していましたが、現実はそうではなかった。最大の夢を「最強の下請け」と掲げて目標設定していた私は、「自社製品への挑戦」も視野に入れていかなければ、従業員を守れないと危機感を抱きました。

さらに安定するためには人の生活に欠かせない仕事が必要であると考え、食べることができなければ人間活動は終わる、と食品事業の立ち上げを決意しました。知人に豆腐機械メーカーを紹介されたことがきっかけで、食品機械に関わることができました。小さな機械の修理や、人が足りないからと製造のお手伝いをすることもあり、あらゆることを請け負いながら、食品機械のノウハウを学んでいきました。待ったなしの客先要求に即座に応えられるように、自社の加工領域を広げ、設計業務も拡大して機械・電気・ソフトに至るまでを手がけることで一貫製造体制を確立しました。

せっかく仕上げた豆腐製造装置が客先都合で売買できなくなるという危機的状況を打開するために、「これを使って豆腐をつくるしかない!」と発想の転換で始まったのが豆腐製造です。豆腐工場の立ち上げをするにあたって、組織が分裂しそうになりながらも、製造ノウハウや機械ノウハウを得ることができました。現在は豆腐製造拠点として兵庫県宍粟市に兵庫工場を構え、1日に10万丁を製造するまでになりました。自社機械をアピールするモデル工場にもなっており、機械の動きを実証する工場として、国内外のお客さまが工場見学に来られます。

  • 画像:“MOTTAINAI”エンジニアリングで、サステナブルな循環型社会の実現を目指す食材乾燥機「X-Dry unit」
  • 画像:“MOTTAINAI”エンジニアリングで、サステナブルな循環型社会の実現を目指す食品熱交換装置「X-Charge unit」

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会社情報

会社名
株式会社 XEN GROUP(旧・㈱タカハタ)
代表取締役
高畑 洋輔
所在地
香川県高松市三谷町3234-10
電話
087-888-5852
設立
1967年
従業員数
190名
主要事業
XEN BRAND事業(モノづくりをベースとしたSDGsの達成に向けたビジネスモデルの開発)/MACHINE事業(機械装置の開発・製造の一貫体制を確立したマルチファクトリー)/FOOD事業(自社開発の食品機械を利用した食品の製造、提案型のモデル工場)/AGRI事業(持続可能な農業を追求することで、地域活性化と地方創生を目指す)
URL
https://xen-group.com/

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