日中は形鋼加工、夜間は平板のスケジュール加工
平板・パイプ・形鋼兼用ファイバーレーザマシンの導入
竜王金属 株式会社
四国塗装工業グループの板金部門
竜王金属㈱は、四国塗装工業グループで板金事業を担う。主力製品は受配電盤、制御盤、監視盤、工作機械カバー、半導体製造装置関連の板金加工部品となっている。
四国塗装工業グループは、四国塗装工業㈱(塗装部門)、竜王金属㈱(板金部門)、㈱春日(電着塗装・海外調達部門)の3社で構成され、グループ従業員数は117名(外国人技能実習生18名)。板金加工から電着・焼付・金属塗装、シルクスクリーン印刷までの一貫したモノづくりを提供している。
1937年、近澤裕明社長の祖父である近澤光夫氏が大阪市内で創業。鉄道車両関連の仕事で事業を拡大し、1955年には三協塗装工業㈱として株式改組。1970年、主力得意先が香川県丸亀市に生産工場を移転するのにともない、近澤社長の父である近澤亨氏が四国出張所を開設、1973年に四国塗装工業㈱を設立した。
その後、丸亀市内の三菱電機㈱受配電システム製作所との取引も始まり、塗装設備を増強した。さらに、板金加工から塗装まで一貫したユニットで受注するため鉄工部を新設し、上流工程である板金加工に取り組むようになった。
1987年に鉄工部を竜王金属㈱として分社化。レーザマシンなどの最新設備を導入し、合理化を推進した。四国塗装工業グループとして、設計・プログラムから抜き・曲げ・溶接・塗装、さらにシルクスクリーン印刷までワンストップで対応する生産体制を構築し、顧客満足度を改善してきた。
四国塗装工業グループのシナジーを追求
竜王金属の得意先は、全体では約30社あり、売上高も四国塗装工業と同規模まで成長している。売上構成は、四国塗装工業と三菱電機受配電システム製作所の2社で全体の70~80%を占めている。四国塗装工業グループとしてのシナジー効果を追求する一方、最近は塗装レスのステンレス・アルミの仕事も積極的に開拓している。
近澤社長は「以前は四国塗装工業グループの強みを生かし、塗装込みの仕事を開拓してきました。しかし、半導体製造装置、食品機械、医療機器など成長が期待される業種は非鉄材料を使用するケースが多く、竜王金属としてはこうした分野を開拓しなければ成長できません」。
「四国塗装工業も、竜王金属から流れてくる仕事を当てにしているだけでは発展性がない。最近は建設機械や農業機械など、中・厚板を使う産業から塗装だけの仕事を受注する機会も増えています。カチオン電着塗装の設備まで持っている塗装業者は少ないので、それが武器になります。グループシナジーも重要ですが、それぞれが自立していくために新規開拓を強化しています」と語る。
もともと塗装業は、板金製品(前工程)がないと仕事が来ない“待ち仕事”。仕事量や納期などに不安定な面がある。前工程が滞った場合は塗装工程にしわ寄せが来やすく、盆暮れの休み前に仕事が集中するので社員から不満も出ていた。そのため、仕事を平準化させる意味でも竜王金属の存在は大きかった。
しかし、さらなる発展を目指すためには、それぞれの企業が持つ技術力・設備力を生かし、新規開拓を進めていくことが大きな課題となってきた。
近澤社長は、大学を卒業したあと地方銀行に3年間勤めていたので、得意先の動向にも明るい。課題解決へ向け、大崎典正専務取締役、馬場俊忠常務取締役とともに、業務のスリム化や生産合理化などの改革に取り組んでいった。
会社情報
- 会社名
- 竜王金属 株式会社
- 代表取締役
- 近澤 裕明
- 住所
- 香川県丸亀市川西町北1700
- 電話
- 0877-24-6413
- 設立
- 1987年
- 従業員数
- 40名
- 事業内容
- 各種配電盤、工作機械カバー、産業機械、農業機械関連の板金加工、電着・焼付・金属塗装、シルクスクリーン印刷など
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