モーターコアなどの「金型レス加工」、「曲げパーツ一体化設計」を提案
先代から受け継いだスポット溶接技術と最新設備でニッチトップを目指す
トーカイサポート 株式会社
スポット溶接技術を武器に精密板金事業に進出
トーカイサポート㈱は1974年、兒玉嘉朗社長の父である故・兒玉嘉典氏が創業した。兒玉氏は鉄道車両用のアルミサッシや構体などを製造するメーカーの資材担当者だったが、脱サラして自宅の仮工場で夫人とふたりで開業した。大垣市内の大手自動車部品メーカーの4次請けとして自動車部品のスポット溶接などの仕事をするようになり、丁寧な仕事が評価されて仕事は着実に増えていった。
兒玉社長は1989年、21歳で入社した。両親を助けて事業を盛り立てていこうという矢先の1990年、父親が54歳の若さで急逝した。兒玉社長の母親が社長に就任して事業を承継、トーカイサポート㈲を設立した。
兒玉社長は母親を助け、営業活動を行いながら、スポット溶接技術を高めていった。4次請けでは付加価値が見込めず、培ったスポット溶接技術を武器に精密板金事業へと進出していった。
2000年に現在地に新工場を開設。2001年に株式改組し、31歳の兒玉嘉朗社長が誕生した。2005年には「表佐工場」を開設し、組立の仕事もスタート。玄関ひさし・勝手口ひさし・外装部材などの建築金物から、家庭用電気機器部品、医療用機器、搬送部品、ガス器具など幅広い仕事をこなした。
モーターコア組立品の仕事を受注
高度なスポット溶接技術が認められ、大手電機メーカーのモーターコア組立品の加工からスポット溶接までの仕事を受注するようになった。
モーターコアは電磁鋼板・ケイ素鋼板などの特殊材料を用い、板厚は0.15㎜、0.35㎜、0.5㎜、0.8㎜、1.0㎜などの薄板が多く、プレス加工並みの高精度加工が求められる。また、小ロットでの製作コストもプレス加工と同程度でなければならない。さらにコア板に数百発というスポットを打って組み立ててもひずまない品質が求められる。
当初はパンチングマシンPEGA-244、のちにAE-2510NT、EMK-3510MⅡへとマシンを更新していき、加工精度が向上していった。同社の強みであるスポット溶接は、独自の治具を製作し、パラメーターも長年の経験で得られた数値をデータベース化。スポット溶接の手順も標準化し、誰でも高品質な溶接ができるような仕組みを構築した。現在は4名の女性パート社員がスポット溶接機を操作し、不良率は99.99%(フォーナイン)以下となっている。
会社情報
- 会社名
- トーカイサポート 株式会社
- 代表取締役
- 兒玉 嘉朗
- 所在地
- 岐阜県不破郡垂井町栗原1827-1
- 電話
- 0584-22-2679
- 設立
- 1990年(1974年創業)
- 従業員数
- 12名(パート社員含む)
- 主要製品
- 中・大・特大型向けモーターコア組立品、建築金物、医療機器、輸送機部品、トレーラーハウスの加工・組立、什器関連製品など
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