宮城で躍動する板金企業
製作から施工、メンテナンスまで対応するダクト設備の専門企業
新本社工場と思い切った設備投資で、製造現場の改革を行う
株式会社 エスピー・クリエーション
ダクトの製作からメンテナンスまでに一貫対応
㈱エスピー・クリエーションは「お客さまの理想に100%お応えする」をモットーに掲げるダクト設備の専門企業。ビルをはじめとする集合型商業施設や総合病院などの空調設備、ライスセンターや各種工場といった農業・工業プラント設備、土木設備関連におけるダクト設備全般の製造・施工を手がける。
同社の特徴は製造のみでなく、ダクトの設置工事や各種配管工事、周辺機器据付工事、塗装用ブースの組立工事、乾燥炉の組立工事などの施工も行っていることだ。携わっている案件はJR仙台駅や宮城県消防学校といった宮城県内の施設から、全国各地の高層ビル、集合型商業施設、総合病院、半導体や電子部品の製造工場など高精度やクリーンさが求められる案件までと幅広い。製作から施工、調整・メンテナンスに至るまですべて自社で対応する一貫体制と、きめ細やかな安全対策、技術力の高いスタッフによる施工で、得意先から厚い信頼を得ている。
一定品質・迅速な対応・コスト低減を実現
普段何気なく目にしているダクトだが、その種類は多く、用途や設置場所などによって形状や材質、大きさなどが異なってくる。
形状としては、四角い形状で収まりが良く配管しやすい「角ダクト」、円形もしくは楕円形で空気が流れやすい「スパイラル(丸)ダクト」、丸ダクトと角ダクトの利点を兼ね備えた「オーバルダクト」、箱型で外から取り込んだ空気の温度・湿度・風量などを安定させる役割を持つ「チャンバーボックス」などがある。
また、ダクト内部に異物を取り込まないようにする「金網ダクト(網メクラ)」などの取り付け部品、継手、支持金物・その他役物、特殊製作品など付属する製品の種類も豊富だ。
同社では原材料の仕入れから納品まで自社で行うため、一定品質・迅速な対応・コスト低減を実現している。顧客のニーズに対応して最適なダクトを製作・販売する。
加工材料は亜鉛めっき鋼板が70%、ステンレスが30%で、今後はステンレスの割合を増やしていく方針だ。板厚は1㎜前後が中心で0.5~3㎜に対応。支持金物など切断だけを行う部品の場合は板厚6㎜まで対応する。取り扱う材料の種類は20種類ほどで必要材料は常に在庫している。そのため契約時と施工後の材料費のズレが発生しても仕入れ金額との差額によりカバーしている。
工場に設置する空調ダクト関連が好調
同社には「空調ダクト部門」「精米プラント部門」「製造部門」の3部門がある。空調ダクト関連と精米プラント関連の売上比は7:3で、空調ダクト関連は常にたくさんの引合いが来ている状況だ。
現社長の姉であり取締役専務の工藤博子氏は、「精米プラント関連は営農化などで精米作業が集約されることから縮小へ向かうと予想されます。今後は空調ダクト関連の仕事をもっと増やしていきたい。空調にともなう冷媒工事も始めたのでその辺りをさらに強化していきたい」。
「最近は工場関係の仕事が圧倒的に多くなっています。工場のすべての配管となるとかなりの量になるため、何社かで分担しながら工期予定を組み、進めていく必要があります。当社の場合、製造も施工も手がけているので現場とのやり取りもスムーズで、ある程度搬入の日程を調整できるのも強みです。こうした大型案件は基本的に半年先くらいまで生産計画が見えています。すでに来年の話も出てきており、今後も右肩上がりの成長が期待できます」という。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 エスピー・クリエーション
- 代表取締役
- 矢口 康夫
- 所在地
- 宮城県名取市閖上東3-1-15
- 電話
- 022-724-7265
- 設立
- 1996年(1993年創業)
- 従業員数
- 23名
- 主要事業
- ダクト製造・取り付け、ダクト資材製造・販売、機械設置工事、配管工事
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