特集

厚板・パイプ・形鋼の生産性を改善するENSIS-RI

食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼

ENSIS-RI導入で現場の作業工数が約半分に

有限会社 藤田製作所

LINEで送る
Pocket

画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼①コロナ禍の影響が本格化した直後の2020年6月に導入した平板・パイプ・形鋼兼用ファイバーレーザマシンENSIS-3015RI。「こんな状況下でも導入して大正解。現場の作業工数は約半分になった」(藤田社長)/②ENSIS-RIで加工したステンレスの角パイプ。はめ合い構造にすることで迅速・正確に組み上げることができる。接合部に半円を加工することで合わせたときに丸穴になる

食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績

画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼代表取締役の藤田幸男氏

㈲藤田製作所は、食品機械 ― 特に製菓機械で使用するステンレス製缶板金を主に手がけている。

藤田幸男社長は現在55歳。東京・多摩地域の製缶板金企業で工場長として製造現場を取り仕切り、2001年に独立して藤田製作所を創業、2002年に法人化した。前職から数えると通算27年にわたり食品機械・半導体製造装置などのステンレス製缶板金を手がけてきた。

スタッフは総勢7名、得意先は計5社と小規模ながら、大手食品機械メーカー2社と直接取引をしており、その実力は折り紙つき。長年培ってきた食品機械向け製缶板金のノウハウ、VA/VE提案、高度な溶接技術、たしかな加工品質、短納期への対応力などにより、得意先各社から絶大な信頼を得ている。

売上構成は、食品機械向けが90%超で、残りの数%が半導体製造装置向け。主力の食品機械は、コロナ禍の影響で2020年5月以降、大きく落ち込んだ。人の移動が制限され、食品製造工場への納品据付ができなくなり、輸出向けの仕事も止まった。また、土産菓子業界が深刻なダメージを受けたことで、同社が得意とする製菓機械の生産計画は中止・延期が相次いだ。

コロナ禍の影響が本格化した直後の2020年6月、6㎜超の中厚板とパイプ・形鋼の加工能力を強化するため、平板・パイプ・形鋼兼用ファイバーレーザマシンENSIS-3015RIを導入した。藤田社長は「設置する建屋も完成していて、(導入は)止められませんでした。苦しいタイミングでした」としつつも、「結果的には、こんな状況下でも導入して大正解でした。ENSIS-RIを導入したことで現場の作業工数は約半分になり、予想以上の効果が出ています」と語っている。

土産菓子とは対照的に、スーパーマーケットやドラッグストアなどで販売される流通菓子は好調で、2021年度に入ってからは食品製造ラインの設備計画が再び動き出した。同社の仕事量もこの6月以降は回復してきており、今秋以降の本格回復とさらなる飛躍へ向け、生産体制の整備に余念がない。

  • 画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼曲げ工程の主力、ベンディングマシンHDS-1303NT
  • 画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼食品機械フレームの溶接組立作業

平板・パイプ・形鋼とも90%がステンレス

同社が手がける食品機械は、1台あたり長さ2~3m。これを現地で連結すると、長いもので十数mの食品製造ラインになる。一品一様の典型的な多品種少量生産で、同じ製品をリピート受注するケースはほとんどない。

同社では、パイプ・形鋼のフレーム部材と、それに付随する板金部品を加工し、溶接組立を行ってから、機械加工とアセンブリーを行っている組立企業に納めている。数は少ないが、土台などに用いられる鉄系材料の製品は、塗装・表面処理(所要日数2~3日)まで行ってから納品する。

使用する材料は、平板、パイプ・形鋼とも約90%がステンレス(SUS304・SUS430)。平板は、装置のカバーやパネルに使用する1.2㎜、1.5㎜の薄板が50%程度を占める。コンベア関係の場合は、2.0㎜、3.0㎜もよく使う。フレームに付随するブラケットやステーなどは6㎜、9㎜、12㎜が多く、6~16㎜の中厚板で20%程度を占める。

パイプ・形鋼は、アングルと角パイプの割合が高い。アングルだと40×40㎜(板厚5㎜)、50×50㎜(板厚6㎜)が多く、角パイプだと板厚2㎜の50×50㎜、100×100㎜、50×100㎜を多く使用する。

  • 画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼チャンネルの切り欠きは、ほかの装置とドッキングする際に使用する。これもENSIS-RIで加工している
  • 画像:食品機械のステンレス製缶板金で長年の実績と絶大な信頼高い評価を得ている溶接ビード。同社の食品機械フレームはサンダー仕上げを行わず、酸洗いだけして納めている

会社情報

会社名
有限会社 藤田製作所
代表取締役
藤田 幸男
所在地
埼玉県入間市宮寺2061-1
電話
042-935-0311
設立
2002年
従業員数
7名
主要事業
食品機械・半導体製造装置向け製缶板金

つづきは本誌2021年7月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから