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IoTを活用したオンラインサポートの効果

安定稼働を支える安心サポート

クリーンルーム関連空調機器が好調

株式会社 赤土製作所

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画像:安定稼働を支える安心サポート①自動金型交換中のベンディングマシンHG-1003ATC/②IoTサポートセンターからの指示を受け、加工条件を確認する/③IoTサポートセンターとは、パソコンまたは専用タブレット端末による音声やチャット形式のやり取りできる。動画や写真を送ることもできるので状況説明もしやすい

1975年から「クリーンルーム装置」の製造を開始

画像:安定稼働を支える安心サポート左から小山健一主任、赤土嘉治社長、杉崎猛製造部板金課課長

㈱赤土製作所は、1952年に赤土興治氏が東京都足立区梅島で赤土製作所として創設。1958年に㈲赤土製作所として法人化した。1959年に品川燃料㈱(現・シナネン㈱)考案の「品川あんか」の生産を開始し、プレス加工による量産化で合理化を進めるのに対応して、一貫作業の優秀性に着目し静電塗装と高級手吹塗装を新設した。1961年に埼玉県越谷市に4,000坪の土地を購入して新工場を建設、株式改組して㈱赤土製作所となった。

その後、アルマイト被膜設備を導入し、アルマイト処理による事業を始め、“光るナンバー”といわれる「字光式ナンバープレート」を製作。印刷機械部品の機械加工を行うようになった。プレス加工から機械加工、アルマイト処理までと幅広い事業を行うようになり、従業員数が200名まで増えた時期もあった。

1975年には現在の主力事業である「クリーンルーム装置」の製造を開始。東洋一といわれた東海大学医学部無菌病棟の新設工事に参加した。当時は日本の半導体産業が成長発展した時期で、国内いたるところに半導体工場が建設され、クリーンルームの需要が拡大しており、1986年にはクリーンルーム組立工場を建設するとともに、社内にも製品組立用クリーンルームを増設した。

クリーンルームの需要先は当時から、半導体産業のみならず、製薬、バイオテクノロジー、医療機器、病院、EV車載バッテリーの電池製造現場にも用途が広がっている。クリーンルームといっても機能・用途に対応してさまざまな製品がある。主な装置にはファンフィルターユニット、クリーンブース、クリーンベンチ、パスボックス、エアシャワーなどさまざまなタイプがある。また、用途に応じて同一仕様で台数がまとまる量産品から、オーダーメイドに対応した多品種少量の製品もある。

画像:安定稼働を支える安心サポート左:2019年に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJも現在はIoTサポートセンターにつながっている/右:ハンディファイバーレーザ溶接機FLW-1500MTが納まるパーテーションは自社で製作

半導体産業向け以外の需要を開拓

同社も当初は半導体工場向けに、同じ仕様で台数がまとまる量産品に力を入れていた。しかし、半導体産業では約4年周期での景気循環(シリコンサイクル)があるため、需要の変動が大きく、事業への影響が大きかった。そこで、ロットのまとまる半導体業界向けのビジネスを縮小し、限られた用途に使われるロットの小さい製薬向けを中心に開発製造するように変わっていった。最近ではEV車載バッテリーの電池製造現場向けの需要にも対応するようになっている。

「半導体産業は昨年から、AI向けを除くと需要が落ち込んでいます。国内では九州・熊本のTSMC、北海道・千歳のラピダス、岩手・北上のキオクシアなどの大型物件もありますが、全体としては低調です。当社は半導体製造の特殊工程向けにしか対応していないので、落ち込みの影響はありません。医薬向けをはじめ、EVバッテリー製造ライン向けなどが好調です。来年以降には、半導体産業の市況も好転するようなので、事業の見通しは明るいと考えています」(赤土嘉治社長)

画像:安定稼働を支える安心サポート左:空調システムの一部としてクリーンルームの天井に取り付けられるファンフィルターユニット筐体の板金製品/右:外気と遮断された状況下で作業ができるように、内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器であるグローブボックス

会社情報

会社名
株式会社 赤土製作所
代表取締役
赤土 嘉治
所在地
埼玉県越谷市大字増林3610
電話
048-965-6611
設立
1958年
従業員数
50名
主要事業
クリーンルーム関連空調機器および設備設計・製作・販売、精密鈑金塗装、介護保険関連業務
URL
https://akado.info/

つづきは本誌2024年12月号でご購読下さい。

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