特集

自動倉庫と連動した自動化ライン

完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」

交通インフラを支えるニッチトップの通信機器メーカー

旭光通信システム 株式会社

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画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」第二工場には自動倉庫MARS-2512N(8段6列)を導入し、八戸事業所から移設したパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(左奥)とリンクさせた

交通インフラを支える通信機器メーカー ― 通信機器・信号機器を一貫生産

画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」左:酒井元晴社長/右:八戸事業所の秋山恭範所長

旭光通信システム㈱は創業以来、「有線通信技術」を強みに鉄道や道路に必要な通信機器・信号機器を一貫生産し、今では日本の交通インフラを支える通信機器メーカーに発展した。

同社の前身にあたる旭光電気工業㈱は1946年、東京・銀座松屋前の焼けビル5階で、電話交換機のオーバーホールの仕事を生業として創業した。徹夜明けの仕事が終わる頃、一面焼け野原の彼方に橙色の輝く朝日が昇るのを見た創業者は、「朝日は輝く明るい未来とエネルギーの象徴であり、会社の将来もそうありたい」という願いを込めて社名を「旭光」としたという。

1963年に発生した国鉄(現:JR東日本)東海道本線の列車事故(鶴見事故)では、同社のテレホンスピーカーの一斉放送機能が救命・復旧作業に多大な貢献を果たした。このテレホンスピーカーは、伝送路の電気抵抗が少ない直流電圧信号を採用し、交換機不要で長距離を一対のケーブルで対応できる。

国鉄の認定規格商品となったことを契機に鉄道市場に参入し、その後、鉄道信号事業や道路関連事業にも展開していった。

「鉄道通信」「鉄道信号」「道路通信」の3事業を展開

現在は「鉄道通信」「鉄道信号」「道路通信」の3事業を中核に、北海道から沖縄まで全国をカバーしている。

「鉄道通信」では、サイネージ、旅客案内放送装置、指令電話システム、「鉄道信号」では導光板表示器、LED表示器、信号用器具箱、行先表示案内装置、踏切監視カメラ、「道路通信」では道路指令システム、非常電話機、ETCレーンインターホン、道路インターホンなどをラインナップしている。

道路の交通情報通信設備や電力設備、索道・競技場・プラントなどの施設内の情報通信など、多岐にわたるオリジナル設備・機器の開発、ソフトウエア・ハードウエアの設計・製造・施工を一貫体制で提供している。

そのほか、毛髪検知器(食品加工業)、放送設備(保育園)、盗難防止用賽銭箱(神社用)といった製品にも対応している。

  • 画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」2022年5月に新設した八戸事業所の第二工場(愛称:BOOST BASE)
  • 画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」ベンディングマシンHG-8025による曲げ加工

「八戸事業所」でソフト・ハードの設計・製造に対応

生産拠点である「八戸事業所」ではソフトウエア・回路・構造などの設計から、製造・検査、出荷までを一貫で対応している。

かつての川崎本社工場には青森県出身の従業員が比較的多く、中には故郷へUターンする者もいた。事業発展とともに工場拡張も必要になってきたことから、1991年に「八戸ハイテクパーク」に土地を取得し、1993年に工場建設に着手。1994年には、メンバー7名で八戸事業所を開設した。

2002年には八戸事業所板金棟を増築した。2009年には隣接地を購入し、プロダクト設計棟を開設。設計からの一貫体制を整備していった。

2011年には3代目社長に酒井元晴氏が就任。2014年には八戸事業所の屋根に30kWの太陽光発電システムを導入した。

2019年には車で数分の距離にある「八戸グリーンハイテクランド」内に建設用地を購入し、2022年に第二工場が完成した。

ここまでが創業以来、「有線通信技術」で鉄道や道路に必要な通信機器・信号機器を一貫生産し、交通インフラを支える通信機器メーカーとして発展した同社の足跡だ。

  • 画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」溶接工程はTIG溶接が中心
  • 画像:完全内製化と自動化を目指して新設した「見せる工場」組立がほぼ完了したスマートIC用双方向テレビインターホン

会社情報

会社名
旭光通信システム 株式会社
代表取締役
酒井 元晴
本社
神奈川県川崎市高津区久本3-2-3
ヴェルビュ溝の口4階
八戸事業所
青森県八戸市北インター工業団地1-3-35
電話
0178-20-5540
設立
1946年
従業員数
80名
主要製品
鉄道・高速道路用情報通信機器および板金製品
URL
https://kyokko-tsushin.co.jp/

つづきは本誌2023年3月号でご購読下さい。

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