粘り腰で力強い青森県の板金加工企業
創業133年、屋根工事から金属加工へ事業領域を拡大
第2工場完成でオリジナル商品を拡充
勝又金属工業 株式会社
建築板金工事を主体として着実に成長
勝又金属工業㈱は1890年(明治23年)の創業以来、建築板金工事を主体として着実に成長、現在の業容を整えるに至った。この間、常に施工技術の向上と、独自の技術を確立してきたステンレス製金物、装飾金物などの設計・製作・施工に取り組み、これらの分野においてもスーパーゼネコン各社から高い評価を得ている。建築技術がますます高度化・多様化している中、施主やゼネコンの要望に十分に対応できるよう加工技術・施工技術の研鑽と充実、それを支える最新の加工設備による技術革新と製品開発に積極的に取り組んでいる。
また近年は、売上全体の10%超を占める「セッピくん」「キレンダースパン」「クロウガード」などのオリジナル商品の知名度向上と販路拡大に意欲を燃やす。
建設業界の発展・振興に貢献
勝又貞治会長は長年、全日本板金工業組合連合会の理事長を務め、建築板金業界の発展と振興に尽力してきた。こうした取り組みが高く評価され、1999年の叙勲で黄綬褒章を、2009年の叙勲で旭日小綬章を受章した。
勝又祐人社長は建設業界の深刻な人手不足に対応するために、建設施工に関連する青森県内の企業約20社で2021年に発足した「青森県専門工事業担い手確保推進協議会」の初代会長として、建設業の担い手の確保と育成に積極的に取り組んでいる。7月には担い手不足が続く建築関連業界の魅力を知ってもらおうと、高校生を対象にした職業体験会を青森市内で開催。協議会加盟企業の約20社が土木や解体、左官などの職業体験ブースを出展し、指導を受けながら実際に作業することで仕事の魅力を肌で感じてもらおうとイベントを開催、75名の学生が参加した。
勝又会長、勝又社長はともに高齢化と人口減少をむかえきびしさを増す建設業界の発展と振興に尽力している。
大手ゼネコンとの取引多数
同社はスーパーゼネコンをはじめ、多数のゼネコンと取引実績があり、北東北圏内の公共工事や大型開発案件の工事に参加している。
東北新幹線の青森県内の停車駅である七戸十和田駅、新青森駅、奥津軽いまべつ駅の駅舎の階段手摺りや、ホーム柵、エスカレーター壁、ボーダー見切りなどは同社が製作、施工を行った。また、青森県総合運動公園にある陸上競技場の9,300㎡以上の屋根工事、メインスタンドの観客席の手摺りの製作、岩手県北上市に建設されたキオクシア北上第1工場・第2工場の一部屋根の工事などを行っている。ほかにも千葉・浦安の大規模テーマパークに設置されたステンレス製街灯、愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」内にオープンしたジブリパークの建物のひさしの製作を受注するなど、東北圏外の仕事にも関わっている。直近では埼玉県朝霞市に建設中の東洋大学朝霞キャンパスの外壁パネルをパンチングメタルで製作し、納めている。
会社情報
- 会社名
- 勝又金属工業 株式会社
- 代表取締役会長
- 勝又 貞治
- 代表取締役社長
- 勝又 祐人
- 所在地
- 青森県青森市大字高田字日野58-1
- 電話
- 017-739-4566
- 設立
- 1977年(1890年創業)
- 従業員数
- 45名
- 主要事業
- 屋根工事、ステンレス製金物・装飾金物などの設計・製作・施工、オリジナル商品(セッピくん、キレンダースパン、クロウガード、クリーンステーション)の製作・販売
つづきは本誌2023年12月号でご購読下さい。