特集

新たな市場創造を目指す食品機械業界

業務用炊飯機器で国内トップシェア

EML Z-2512AJの導入で、加工範囲が広がり工数を削減

株式会社 AIHO

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画像:業務用炊飯機器で国内トップシェアショールームでは、連続炊飯機をはじめとした主力商品が稼働状態で展示されており、顧客の要望に応じて実演・試食もできる

「愛知ブランド企業」にも認定される

画像:業務用炊飯機器で国内トップシェア左から、製造部の岩水幸博工場長、羽田健児副部長、鈴木晋治生産技術課係長

㈱AIHOは来年、創業70周年をむかえる。業務用厨房機器の総合メーカーとして、スライサー・ミキサー・ピーラーなどの調理機器をはじめ、再加熱カートシステムなどの病院・福祉施設向けの機器、コンビオーブン・フライヤーなどの加熱機器、連続炊飯機、炊飯ライン、冷却機器、食器洗浄機、消毒保管機など業務用厨房機器を幅広くラインアップしている。

コロナ禍により最近では飲食店やコンビニエンスストア、持ち帰り弁当店、スーパーなどで総菜などを買ってくるケースが増えている。同社ではそんなコンビニエンスストアの食品工場やスーパーの総菜工場、冷凍食品メーカーなどで使われる厨房機器、学校給食や病院の給食をつくる厨房機器・設備も開発・製造している。

また、高齢者向けの福祉・介護施設への厨房機器・設備も増えている。温かいものを温かく、冷たいものを冷たいままで食べられるような工夫も採り入れ、「食」の充実に貢献、業務用の連続炊飯システムでは国内トップシェアを獲得している。

同社は「FOOMA JAPAN」などの展示会で10機種程度の新製品を出展、開発技術力の高さも評価され、工業出荷額全国一の愛知県を支える有力企業の証しとして「愛知ブランド企業」にも認定されている。

  • 画像:業務用炊飯機器で国内トップシェアEML Z-2512AJの172棚の材料棚MARS-2512Nは、8割を材料棚として、残りは加工済みの製品・スケルトンを一時的に保管する棚として使われている
  • 画像:業務用炊飯機器で国内トップシェア自動金型交換装置を備えたベンディングマシンHG-1003ATC

きびしい条件で稼働する食品工場

同社は一貫して「おいしい」ご飯を炊く ― その課題に挑戦し続けている。

業務用炊飯ラインでは、使用する米の銘柄もさまざまで、ガスや電気のように熱源がちがう場合があり、炊きあがったご飯を一度冷ましてから提供する際には冷凍にする場合もある。また、まぜご飯、炒飯、ピラフなどさまざまな具材と一緒に調理して提供するなど、用途に応じて炊き方や水加減も変わってくる。具の種類などによって火のとおりやすさが異なる炊き込みご飯などでは、微妙な水加減や火加減が求められる。

こうした多様な顧客ニーズに対応するため、同社にはショールームを兼ねたテスト施設があり、何度も実験を繰り返して、炊きあがったご飯を試食してもらっている。こうした取り組みを通じて、同社は年間数十件ほど、全国の学校・病院・高齢者施設・民間企業などの給食センターや社員食堂に炊飯ラインを導入している。

炊飯ラインには納米庫、洗米機、充填機、連続炊飯機、自動反転ほぐし機、炊飯釜洗浄機などの機器が組み込まれる。

厨房設備の設計・製造・施工事業は顧客によって要求内容が多岐にわたる。最近は装置が大型化しており、業務用炊飯機器1台で1時間に8,000食のご飯を炊くことができる。また、ご飯を炊き、釜を洗い、また次のご飯を炊くという工程を全自動で20時間以上繰り返す食品工場もあり、こうした厨房設備の設計・製造・施工事業が同社の売上の中心となっている。受注金額は、ラインあたり数億円単位になる案件も多い。

食品機械業界は景気の影響を受けることが少ない業界といわれるが、まったく影響がないわけではない。ただ、マクロ景気に対しては若干のタイムラグが発生するため、半年から1年ほど遅れて影響を受けている。

画像:業務用炊飯機器で国内トップシェア左:各工程には作業効率を上げるためのタブレット端末が設置されている/右:出荷を待つ洗浄装置

会社情報

会社名
株式会社 AIHO
代表取締役
寺部 良洋
所在地
愛知県豊川市白鳥町防入60
電話
0533-88-5111
設立
1957年(1953年創業)
従業員数
450名
主要事業
給食用調理機械・厨房機器の製造販売、炊飯システムの設計・施工、学校・病院・事業所給食設備の設計・施工、食品加工プラント設備の設計・施工、ホテル・レストラン厨房設備の設計・施工、その他厨房設備付帯工事一式
URL
https://www.aiho.co.jp/

つづきは本誌2022年8月号でご購読下さい。

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