特集

特色を出す東海地区の板金加工企業

「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築

ステンレス製「松の木」など、独自のアイデアを生かした商品を製作

有限会社 大河内

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画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築ライトアップされたステンレス製の「松の木」(原寸大)。松の葉は12万本すべて手づくりした

さまざまなオブジェを展示 ― B to Cビジネスを新たな柱に育てる

画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築左から山本晴久専務、山本真太朗社長

伊勢神宮に近い三重県度会町棚橋の通りに面した工場の一角に、ライトアップされた㈲大河内のショールームがある。その窓からはステンレスでつくられた原寸大の見事な枝ぶりの「松の木」を中心とした「松」「竹」「梅」のオブジェを見ることができる。ほかにも板金で製作されたさまざまなオブジェや商品が展示され、見る者の目を楽しませてくれる。

この見事な「松の木」 を製作したのは、㈲大河内の前社長である山本晴久専務で、ゆくゆくはB to Cビジネスを事業の柱に育てることも視野に入れているという。

3代目社長はアイデアマン

山本専務の父・山本定一氏は1960年に、神奈川県横浜市の厨房板金加工業、㈱大河内製作所でステンレス加工の仕事に携わるようになった。1963年には三重県度会郡度会町棚橋地区で大河内製作所三重工場として、ステンレスの家庭用流し台を専門に取り扱う個人会社を起業した。

山本専務は1969年から数年間、愛知県内の板金工場で板金加工技術の習得に励んだ。山本専務の帰郷後は厨房板金・建築金物の板金加工を主体に業態を変化させていった。1989年には2代目社長に就任、社名を現在の「㈲大河内」に変更した。

2012年には子息である山本真太朗氏が3代目社長に就任。山本社長はねじでつくったロボット「変形合体ネジー」の生みの親で、ほかにもアイデアあふれる商品をつくっているアイデアマンだ。社長交代後、山本晴久氏は専務として山本社長をサポートしている。

  • 画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築真珠養殖業から依頼された装置の改修作業
  • 画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築TIG溶接作業

松のオブジェが板金フェアで金賞を受賞 ― 本業は厨房・建築板金

山本社長は同社のこれまでを次のように振り返る。

「1963年の創業から60年が経過しました。当社は祖父が切りひらいたステンレスのキッチンや風呂の製作から始まり、ステンレス加工を中心とした建築金物のオーダーや、食品関係の備品であるタンクや、パッド、トレーなどを製作してきました。2代目の父(山本専務)は建築金物を中心に、ものづくりに関わってきました。現在は業務用食品関係の桶や一斗缶を反転させるための省力機械のカバーなどを製作しています。お客さまからの『こういうものがほしい』『ああいうものがほしい』という要望をカタチにする仕事が中心になっています」。

「私が入社する20年ほど前から専務がさまざまなステンレス製のオブジェを製作するようになり、私が社長に就任した2012年には小さな盆栽のような『オブジェ松輝』を製作しました。この作品は、職業訓練法人アマダスクールが主催する『第25回 優秀板金製品技能フェア』(板金フェア)の『造形品の部』で、金賞を受賞しました。この作品は松葉づくりに一番苦労しました。機械加工では加工できないので最終的には手作業でねじっています。葉先をアルゴン溶接で溶かし、丸める作業にも苦労しました」。

「しかし、葉先を溶かしたことにより、鏡面の幹と松葉の溶接焼けの色合いが程よくマッチして、深みがあるデザインになりました。松葉の葉先の一本いっぽんを手作業で溶接して丸くしていますが、かなりの時間と手間がかかります。板金フェアでは、その労力を高く評価していただきました」。

  • 画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築ブロック式組立玩具「変形合体ネジー」M6 NeG_シリーズの2号
  • 画像:「120%の笑顔創出企業」を目指して、盤石な企業体質を構築磯釣りに使用するオールステンレス製の三脚「磯釣り職人~至高の三脚~」

会社情報

会社名
有限会社 大河内
代表取締役
山本 真太朗
所在地
三重県度会郡度会町棚橋525
電話
0596-62-0629
設立
1989年(1963年創業)
従業員数
12名
主要事業
各種建築金物工事(手摺、幕板、壁張り工事など)/食品、水産関係備品、新規製作、改良、修理(トレー、台車、架台など)/工場メンテナンス工事/オリジナル商品販売
URL
https://okouchi.net/

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