特集

都市型板金工場の必需品 ― BREVIS-AJ導入事例

デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込む

省スペース、イージーオペレーションを追求したBREVIS-AJで「対応力」を強化

有限会社 落合製作所

LINEで送る
Pocket

画像:デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込むチャックインデックス仕様で導入したコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ

アート系の仕事が売上の20~30%

画像:デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込む村松篤志製造部長(左)と、落合健一社長(右)

㈲落合製作所は1965年に落合朝宏会長が東京都目黒区碑文谷で精密板金加工業として設立した。以来58年にわたって「お客さまにいかに満足していただけるかを考え、常にお客さまの立場となり、高品質・低コストの製品づくりを心がけてきました」と落合会長はいう。

創業してまもなくコンピュータ周辺機器の仕事を受注し、現在でも売上全体の50%を占める。子息の落合健一社長は2008年頃から新事業としてデザイナーとのコラボレーションを行い、要求品質がきびしい工業製品の加工技術を生かしてアートやデザインプロダクトを製作し始めた。デザイナーの追求する細やかなディテールを板金で表現し、世界的なスポーツイベントで使われるメインモニュメント、家具、さらには世界的なデザインイベント「ミラノサローネ」に出展されるアート作品、公園などのシンボルモニュメント、企業のモニュメントなど、多彩な作品を手がけ、売上の20~30%を占めるまでに成長させた。また、半導体製造装置、医用検査装置なども手がけ、事業領域を広げている。

「ミラノサローネ」出展作品の製作に貢献

落合社長は「コンピュータ周辺機器は安定した取引を継続しています。2008年からは世界的に有名なデザイナーや建築家とのものづくりをスタートしました。世界最大規模のデザインイベント『ミラノサローネ』では毎年、出展される作品の製作をお手伝いしています。最近では横須賀市平和中央公園のモニュメントを製作しました。夜間はセンター部分から空に向かってレーザが照射され、災害時にはこのビームがランドマークになって避難者を誘導します」。

「また、スポーツブランド企業が六本木ミッドタウンの庭園で開催したイベント用に、たたく場所によってさまざまな音が出る『ハンドパン』を数十個製作しました。ハンドパンの盤面はケルヒャー高圧洗浄機を使ったハイドロフォーミング加工で、板をふくらませています。音楽家の方に調律をしていただきながら、製作しました。ハイドロフォーミング加工でハンドパンを製作するというアイデアがおもしろいと評価されました。アート作品づくりの仕事は単発ですが、作品が後世に残るのでやりがいがあります。まだ公表はできませんが、日本で開催された世界的なスポーツイベントのメインモニュメントを製作したこともあります」という。

画像:デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込む左:同社も製作に携わった2022年のミラノサローネのクレジット作品(Photo by Takumi Ota)/右:3次元CADでモデリングされた2022年のミラノサローネのクレジット作品(Photo by Takumi Ota)

チャックインデックス仕様のBREVIS-AJ

アート系の仕事はコロナ禍の影響で減ったが、5類に移行して以降はイベントも復活、ビル・商業施設などの工事が再開し、付随してモニュメント・アート関連の仕事も増えていくと期待される。

それだけに落合社長は「先代からの経営方針である『対応力』をテーマに、お客さまにご満足いただけるものづくりを目指したい。納期厳守・高品質をモットーに、多くのお客さまニーズに応えていきたいと考えています。そのためには人材と設備力がカギとなります。会社ホームページやYouTube、SNSも活用しながら、当社のものづくりをしっかりとPRしていきたい」。

「また、『対応力』の強化のためには、経験の浅い作業者でも簡単に操作できる設備が欠かせません」という。

そこで、2022年7月に導入したのが、コンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJだ。

落合社長はBREVIS-AJ導入の目的について「LC-1212αⅡのリプレースが目的でした。また、アート系の仕事にも丸パイプなどの形鋼を使うケースが増えており、外部に手配するのも手間となっていました。そのため、社内で加工できるようBREVIS-AJはチャックインデックス仕様を選択しました」。

「3次元ソリッド板金CAD SheetWorksはすでに使っていたのでパイプインデックス装置用CAM Dr.ABE_Tubeのみ追加で導入しました」と語っている。

  • 画像:デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込むBREVIS-AJのテーブルに端材をセットする
  • 画像:デザイナーとのコラボレーションでアート系の仕事を取り込むi-CASを使って板取りを行う

会社情報

会社名
有限会社 落合製作所
代表取締役会長
落合 朝宏
代表取締役社長
落合 健一
所在地
神奈川県横浜市都筑区折本町333
電話
045-472-4431
設立
1965年
従業員数
30名
主要製品
OA・コンピュータ関連と周辺機器、半導体製造装置・医療検査装置、サイン・モニュメント・アート関連製品
URL
http://www.ochiai-seisaku.co.jp/

つづきは本誌2023年8月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから