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スプリングワッシャーと精密プレス部品 ― 両輪体制で事業を伸ばす

空圧機器向け精密プレス部品が主力 ― 高度な加工技術に強み

株式会社 東京メタル

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画像:スプリングワッシャーと精密プレス部品①アルマイト処理により着色したスプリングワッシャー/②精密プレス加工の製品例/③2020年に導入したサーボプレスSDE-1522の順送ライン

「スプリングワッシャー」と「精密プレス部品」 ― 2つの事業を展開

画像:スプリングワッシャーと精密プレス部品前列左から竹田弘二社長、第二製造部の磯野敏明部長。後列左から第二製造部金型課の小島和義さんと立田陽兵さん

㈱東京メタルは、「スプリングワッシャー」と「精密プレス部品」の2つの事業を展開する金属加工企業。多摩川沿いの小規模製造企業が集まった準工業地域に立地し、「プレス加工」、「金型設計・製作」、「ワッシャー製造」(2カ所)、「バレル研磨」の計5カ所の工場建屋を持つ。

「Knowledge」(長年にわたって蓄積された知識)、「Technology」(最新鋭機を導入した最新の技術)、「Management」(お客さまの視点から考えるものづくり)の「KTM」を経営理念に掲げ、時代のニーズに対応するものづくりにチャレンジし続けている。

祖業である「スプリングワッシャー」の事業は、創業以来80年超にわたりメーカーとして製造・販売を手がけてきた。自動巻線機・自動切断機・バレル研磨機などの生産設備は同社のオリジナル仕様で、JIS規格品から特殊品まで、各種材質(鉄・ステンレス・リン青銅・真鍮・チタンなど)・サイズ・表面処理に柔軟に対応し、高品質なスプリングワッシャーを安定供給している。

「精密プレス部品」は、金型設計・製作からプレス加工までの一貫生産に対応し、弱電関係部品、車載部品、空圧機器部品などを手がけてきた。現在の主力得意先は大手空圧機器メーカー。サーボプレス順送ラインをはじめとする充実した加工設備と熟練の金型技術、厳格な品質管理体制により、ミクロン単位の複雑・高精度加工に挑戦し続け、得意先も厚い信頼を寄せている。

画像:スプリングワッシャーと精密プレス部品左:SDEの操作パネル。下死点付近での低速・停止モーションにより成形精度を高めつつ、振り子モーションにより70SPMで加工/右:順送プレスラインとして、200トンプレス、シングルリンクプレスTPL-150(手前)、シングルクランクプレスTP-110(奥)などを設備

スプリングワッシャーメーカーとして85年の歴史 ― 歯付き座金への対応でプレス加工に参入

同社は1939年、創業者の立花石松氏が東京都大田区で「二和製作所」として創業し、祖業であるスプリングワッシャー(ばね座金)の製造・販売をスタートした。戦時中は無線・家電などの生産協力工場として活躍し、1949年に東京都品川区へ移転して「立花製作所」に改称した。1960年に株式改組し、「東京スプリングワッシャ工業㈱」を設立。1970年に現在地へ移転した。

同社が手がけたリン青銅のスプリングワッシャーは業界初の試みで、飛躍のきっかけとなった。1965年からはステンレス製のスプリングワッシャーに着手。高度成長期の追い風に乗り、スプリングワッシャーの専門メーカーとして国内市場で高いシェアを持つまでに成長した。

転機となったのは1980年代中頃。輸出商社からの引合いで、米国向け歯付座金(内歯・外歯)の生産に対応するため、1983年に「プレス加工部門」を開設した。さらにその2年後、1985年には歯付座金の増産に対応するため、ワイヤ放電加工機を導入して「プレス金型部門」を開設。精密プレス部品の金型設計・製作からプレス加工までの一貫生産体制を整えた。

  • 画像:スプリングワッシャーと精密プレス部品金型工場のワイヤ放電加工機。ほかにもマシニングセンタ、NCフライス盤などを保有している
  • 画像:スプリングワッシャーと精密プレス部品自動切断機。スプリングを送り込みながら高速切断してスプリングワッシャーの形状に加工する。この後、バレル研磨を行う

会社情報

会社名
株式会社 東京メタル
代表取締役
竹田 弘二
所在地
神奈川県川崎市高津区久地3-5-1
電話
044-811-7021
設立
1960年(1939年創業)
従業員数
30名
主要事業
スプリングワッシャー(鉄・ステンレス・リン青銅・真鍮・チタン等)の製造・販売/弱電関係部品・車載部品・機械部品等の精密プレス金型設計・製作、精密プレス加工
URL
https://www.tokyo-metal.com/

つづきは本誌2024年12月号でご購読下さい。

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