“withコロナ”に対応する板金業界
徹底した自動化・ロボット化で生産性を向上
コロナ禍により発生した「GIGAスクール構想」特需に同業者と連携対応
株式会社 コスミック
自動化・ロボット化を徹底追求
㈱コスミックは、1969年に齋藤昇会長が千葉県四街道市内でサイトウ製作所として個人創業した。
1992年に現社名に変更するとともに法人化。1993年に八街工場(現在の第2工場)を完成・移転、PEGA-357自動化ラインを導入して昇降機や工作機械カバー関連の板金部品加工に力を発揮した。この頃から齋藤聡専務(現社長)を中心に工場設備の自動化に取り組むようになる。
1999年、工場内にASISネットワークシステムを導入した。事務所で作成した加工データをマシンに転送し、PEGA-357自動化ラインが自動運転、さらに生産管理システムで受注から出荷まで徹底管理するようになった。
2001年にISO9002の認証(2003年にISO9001に移行)を取得、品質管理にも力を入れ、顧客満足度改善に取り組んだ。この頃から事務用品を扱う大手メーカーから収納・間仕切りなどの部品加工の仕事を受注するようになった。
2002年、八街市内(現在地)に工場用地2,200坪を取得。ネットワーク対応型ベンディングマシンFBDⅢ-8025NTを導入し、展開図から立体姿図を作成してマシンのNCコンソールに呼び出す立体姿図運用に挑戦していった。
2008年、本社工場が完成した。世間ではリーマンショックの影響で仕事が大きく落ち込んだが、さいわい同社の事務用品関連の仕事は順調に推移。毎年のように設備を増強していった。パンチングマシンEM-2510NT、EM-3612ZRT、ファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSIS、ベンディングロボットシステムHG-1303Rm、EG-6013ARなどを増強し、別の事務用品メーカーからの仕事も受注するようになった。
収納・間仕切り、昇降機部品が中心
2017年に2代目社長に就任した齋藤聡社長は「この10年ほどは売上の10~20%を設備投資にまわし、お客さまも当社の設備で対応できるところを選ばせていただきました。現在は事務用品の大手メーカー2社と昇降機メーカーの計3社で売上の70~80%を占めています」(齋藤社長)。
収納や間仕切りなどは単価も納期もきびしいという先入観から、敬遠する板金サプライヤーもいる。たしかに変種変量生産で手間がかかる。現地施工との兼ね合いで納期の変更も日常茶飯事。確定注文からの納期は3〜4日程度しかなく、確実な仕事は3日先までしか見えない。しかも、アイテム数が多いため伝票枚数も大量になる。これらを煩わしく思い、この業界から出ていくサプライヤーも多かった。
しかし、同社のように寸法を0.1㎜単位で変更できるパラメトリック対応でプログラム手配でき、徹底的な自動化を進めていると状況は変わってくる。最近はテレワークに対応するレンタルオフィスなどで使用する収納や間仕切りの需要が旺盛で、繁忙状態が続いている。
「当社で製造する間仕切りは、長さ3,000㎜、板厚1.0㎜、1.2㎜、1.6㎜の薄板からパンチング加工で外形・穴あけを加工します。曲げ加工はコの字曲げなど3~4曲げが多い。種類が多く、即日納品のものもあれば、納期1週間程度で塗装・組立まで行って納品するものまでさまざま。メーカーの内製板金工場の能力ではこなせず、間仕切りや枠や骨組みに使われるフレームを溶接・組立後に納品する場合もあります。“ツボ”にはまると、おもしろくてやりがいのある仕事だと思えてきます」(齋藤社長)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 コスミック
- 代表取締役社長
- 齋藤 聡
- 住所
- 千葉県八街市沖752-2
- 電話
- 043-445-0295
- 設立
- 1992年
- 従業員数
- 30名
- 主要事業
- 建材・鋼製家具・昇降機・ラックなどの板金加工・組立
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