ベンディングマシンEGB-6020ATCeの国内1号機を導入
小物製品の多工程連続曲げに対応する
株式会社 中沢工業所
オンライン工場見学会を開催
2024年2月8日、ベンディングマシンEGB-6020ATCeの国内1号機を導入した㈱中沢工業所のオンライン工場見学会が開催された。曲げ加工の自動化への高い関心もあり、全国から107名が参加した。
同社は精密板金加工と金属プレス加工、金型製作を軸に自動車や医療機器、半導体製造装置の部品、空調設備などを製造している。変種変量生産・多品種少量生産に対応するために主要設備をネットワーク化。生産管理システムAPC21を活用して、ものづくりのデジタル化にも積極的に取り組んでいる。さらに3次元測定機2台、画像検査装置のほか、各種測定機器を活用して品質管理を徹底してきた。
これまでは自動車部品のプレス加工が70%、医療機器部品などの板金加工が30%だったが、2020年4月以降は新型コロナ対策として医療機関への補助金制度が始まり、2020年10月以降は医療機器関連の受注が従来の1.5~2倍に増加した。そのため、板金加工の売上が伸び、プレス加工と板金加工のウエイトはほぼイーブンになった。その後、新型コロナの5類移行で補助金が打ち切られ、医療機器部品の受注は半減。半導体製造装置関連の仕事も減少した。しかし、年央から回復する兆しもあり、これまで推進してきたデジタル化による生産合理化に積極的に取り組んでいる。
中澤志光社長は「世界的にEVシフトが加速する中、自動車部品の先行きは不透明です。それだけに医療機器・半導体製造装置関連を中心に板金部門の成長を目指していくことが必要です。一方で、生涯ロット数が見込める製品は、板金加工からプレス加工への工法転換が求められる傾向も強まっています。こうしたニーズに柔軟に対応できるという点でも、プレス・板金・金型の3部門を擁することが他社との差別化につながると考えています。さらに、SDGsや脱炭素化に対応するためにも設備力の強化、デジタル化の加速が必要です」と語る。
EGB-6020ATCeの1号機を導入
今回導入したEGB-6020ATCeは、2023年3月に発表された後、実機を確認することもなく1号機の導入を決めた。
「当社では複雑な曲げ加工が求められ、リピート率も高く、ロットが300個、500個ある医療機器部品を3台のベンディングロボットシステム ― BM-100、ASTRO-100NT、EG-6013ARで加工してきました。現在はASTROとEG-ARの2台で運用しています。EG-ARはベンディングマシン内にロボットアームを挿入できるので、これまで自動化が困難だった小物製品も加工できるようになりました。そのため、医療機器のメカ部品やOA機器、ETC部品の加工で威力を発揮しています。医療機器は厚生労働省の認証が必要で、モデルチェンジまでのサイクルが長く、比較的リピート率の高い製品が多いので、ベンディングロボットで対応できれば合理化につながります」(中澤社長)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 中沢工業所
- 代表取締役
- 中澤 志光
- 所在地
- 群馬県高崎市倉賀野町2918-14
- 電話
- 027-346-3611
- 設立
- 1959年
- 従業員数
- 65名
- 主要製品
- 自動車部品、医療機器製品、OA機器部品、空調設備、ATM部品、家庭用品
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