特集

検体検査装置の板金加工

世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献する

板金部品は製品製造原価の30%を占める

サクラ精機 株式会社

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画像:世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献する電動サーボ汎用ベンディング自動化システムEGB-1303ARse。積み替えレスのパレット運用が可能なアマダスマートローディングデバイスと、パレット交換式のアンローディング装置により、曲げ加工の自動化に貢献する

会社のルーツは420年以上前にさかのぼる

サクラ精機㈱の起源は、1598年の江戸幕府創立以前にさかのぼる。泉州堺で薬種商として産声をあげ、開府とともに江戸(現在の東京都中央区日本橋)に移り、1600年代より営業していた薬種商「いわしや」が1871年に医療機械部門を創設した(サクラ精機創業)。

別途合資会社として設立された千代田製作所(1917年創業)は、1944年に長野県屋代(現・千曲市小島 教育センター所在地)に疎開移転し、1981年に更埴市新田(現・千曲市新田)に「千曲工場(現・長野千曲工場)」、1988年に更埴市屋代(現・千曲市屋代)に「屋代工場(現・長野屋代工場)」、1997年に更埴市八幡(現・千曲市八幡)に「八幡工場(現・長野八幡工場)」を建設し、製造拠点となっていた。

1962年に「合資会社 いわしや松本器械店」から改組され「サクラ精機㈱」となった同社は2005年、㈱千代田製作所と合併し現在のかたちとなっている。

医療機械部門を開設して153年、同社は日本のみならず世界に向けて良質な医療機器を開発、製造・販売し続けている。

画像:世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献する左から土肥正幸製造二課長、近藤英慎第二製造部長、市村恵一専務、村松誠治製造二課長

感染制御分野と病理・細胞診・免疫分野が事業領域

同社の医療機器分野は病院内の各診療科における感染対策を追求し、器具や材料の管理、洗浄・滅菌を専門で行う「感染制御分野」と、病理細胞診検査の効率化、精度管理向上に先進の検体標本作製装置、ノウハウを提供する「病理・細胞診・免疫分野」に大別される。そして、分野ごとにさまざまな医療機器・装置をラインアップしており、売上比では6対4となっている。

2023年の国民医療費は47.3兆円

厚生労働省(以下、厚労省)の発表によると、2023年度に病気やけがなどの受診で医療機関に支払われた医療費の総額は47.3兆円で、2022年度から2.9%(1.3兆円)増加し、3年連続で過去最高を更新している。

特に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となったことで、75歳以上の医療費は18.8兆円と4.5%増え、医療費全体に占める割合は39.8%になっており、1人あたり医療費は平均96万5,000円と0.9%上昇。75歳未満の平均(25万2,000円)の約4倍となった。

同じく厚労省が発表している「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」調査によると、20床以上のベッド数を備えた「病院」の数は8,156施設で、前年比0.6%減少した。その一方で、「歯科診療所」「一般診療所」の合計は17万2,948施設で、前年を上まわっている。

病院の数が減っている大きな理由は、病院経営が赤字になり経営が成り立たなくなっているからと言われており、残る病院もほぼ半数が赤字に陥っており、地域も中核病院がなくなることは地域医療にとって大きな問題となっている。

国は国民医療費の削減や、病院経営を改善するためにさまざまな対策を講じているが、改善は一向に進んではいない。高齢化が進む中で「健康寿命」を延命するためにも医療は国民的課題となっている。

  • 画像:世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献するパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+RMP-48M+MARS-2512N
  • 画像:世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献するファイバーレーザ溶接システムFLW-2000

会社情報

会社名
サクラ精機 株式会社
代表取締役会長
松本 謙一
代表取締役社長
東 竜一郎
長野本社
長野県千曲市大字鋳物師屋75-5
長野屋代工場
長野県千曲市大字屋代1340
電話
026-272-2384(長野屋代工場)
設立
1901年(1600年代より薬種商「いわしや」として日本橋にて営業)
従業員数
500名
主要事業
医療用および産業向け各種滅菌装置、洗浄装置の開発、製造、販売、サービス/病理学的検査(組織診断、細胞診断、免疫組織化学診断)分野向け標本作製機器・器材、試薬ならびにその他関連商品の開発、製造、販売、サービス/滅菌・洗浄インジケータ、洗浄剤など感染防止関連消耗品の販売/院内業務コンサルティング、ソフトウェアの販売
URL
https://www.sakurajp.com/

つづきは本誌2024年10月号でご購読下さい。

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