大板材対応ファイバーレーザマシン活用事例
“拠点集約”と“事業領域拡大”を推進 ― 2025年に8拠点を集約・強化
「テスト工場」で大板材対応ファイバーレーザマシンを検証中
株式会社 シー・エス・ケイ
2025年に新工場を開設 ― 8拠点を集約
群馬県千代田町の㈱シー・エス・ケイは創立以来、建築用部材、建設機械・土木産業機械用部材の加工を中心に手がけ、北関東地域でも指折りの「鋼板加工のスペシャリスト」として発展してきた。
同社は現在、2025年に現在の本社工場から車で7~8分の場所に新工場を開設する計画を進めている。新工場の敷地面積は1万8,360坪におよび、群馬・埼玉の大小8拠点を1カ所に集約する一大プロジェクトだ。
集約対象の拠点は、切板の1次加工を主に手がける「木崎工場」の第1・第2・第3工場、「萱野工場」の第1・第2工場、切板の2次加工や形鋼の加工を主に手がける「新田工場」、倉庫機能を主とする「福島工場」、溶接製缶を手がけるグループ企業の㈱TMS・加須工場となっている。
新工場にはファイバーレーザマシンLC-VALSTER-6225AJ(15kW)のパレットチェンジャー(15段×2列)・TK仕様や自走式ファイバーレーザマシン(20kW)などを導入する予定。切板の切断から穴あけ、ショットブラスト、曲げ、開先、タップ、切削、溶接製缶まで1カ所で一貫対応できる生産体制を構築する。自動化・省力化・スキルレス化を追求し、女性・シニア・外国人材も働きやすい安全・安心な職場環境をつくり上げる。
レーザ加工機6台体制を想定しており、レーザ切断だけで月2,500~3,000トン、プラズマ切断とガス溶断で月2,000トン程度の加工量を目指す。これにより、従来は月3,400~3,500トンだった切板加工量を月4,500~5,000トンまで引き上げ、2次加工・溶接製缶まで含めたグループ全体の加工量としては月1万トンを目標にする。
2023年秋には新工場開設へ向けた「テスト工場」として、本社・木崎工場の敷地内に厚板加工拠点を新設。ファイバーレーザマシンENSIS-6225AJ(12kW)のパレットチェンジャー仕様(12段)、オートボーラー、ショットブラストを新たに導入した。
坂本純一社長は「『テスト工場』では新しい加工設備やシステム、独自工法を採り入れ、どういう条件だとどのくらいの加工量になるか、どういう運用のしかたが最適か、データ取りをしているところです」と語っている。
建築用部材・機械系部材の加工を中心に発展 ― 「みんなが生き生きと働ける会社」を目指す
同社は1981年に坂本一男氏が創業し、鉄板の切断加工を開始。1990年にはいち早くレーザ加工を採り入れ、穴あけ・開先・切削・形鋼加工などの2次加工にも順次対応していった。
製品ウエイトは、スプライスプレートやリブプレートなどの建築用部材が65%、建設機械・産業機械などに用いる機械系部材が約10%、インフラ・土木系部材が10%、残りが「店売り」その他となっている。仕向先は関東エリアが多く、北は青森から西は大阪まで対応する。主力の建築用部材は工場・倉庫・商業施設・ビルなどに用いられ、東京スカイツリーや新国立競技場、大阪・関西万博にも採用された。
「工務部」では得意先である鉄骨ファブのサポートとして、鉄骨部分の施工図作成や鉄骨の加工も行っている。
2004年に2代目経営者に就任した坂本社長は、「みんなの幸せの為に挑戦し続ける企業」を企業理念に掲げ、設備投資・開発投資を積極的に行いながら、顧客満足度の向上、社員の幸せ、社会への貢献に挑戦し続けている。
「みんなが生き生きと働ける会社」を目指し、近年は福利厚生の充実にも力を入れている。子どもを持つ社員の短時間勤務制度や時間単位の有給休暇制度を導入し、行政の子育て支援制度の周知や、年次有給休暇の取得日数の目標設定も実施。社員が適切に評価され、迷いなく成長できるよう、人事評価制度の見直しも行った。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 シー・エス・ケイ
- 代表取締役
- 坂本 純一
- 所在地
- 群馬県邑楽郡千代田町大字木崎582(本社・木崎工場)
- 電話
- 0276-86-4500
- 設立
- 1986年
- 従業員数
- 250名(グループ会社を含む)
- 主要事業
- 建築用部材・産業機械向け鋼板加工品販売
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