特集

脱炭素社会に貢献する「SBT」認定企業

地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断

SBT認定は今後、取引の“絶対条件”になる

島田工業 株式会社

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画像:地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断①「SLA事業所」に新たに竣工した板金工場と駐車場の屋根には自家消費型の太陽光発電所システムを設置している/②社内の自動販売機の一部をSDGs仕様(募金型自動販売機)にした/③工場屋根に設置された太陽光発電パネル

空質空調機器向けの仕事で成長 ― 自社商品も開発

画像:地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断島田渉社長

島田工業㈱は、島田渉社長の父・島田利春氏が1973年に群馬県伊勢崎市内で創業した。創業50周年にあたる今年8月には「創立50周年記念祝賀会」を開催し、社員とその家族が参加した。

同社は1976年、伊勢崎市内に工場を建設し、主力得意先である空質空調機器メーカー向けに組立梱包、FRPボディー製作架装、搬送機の生産をスタートした。1979年には新工場を開設。1980年には法人改組して島田工業㈱となり、プレス板金部品の設計・製造、自社企画商品の開発・製造、開発支援業務などを始めた。1984年には空調機組立工場を新設し、1988年には第一工場を新設してプレス板金加工を手がけるようになった。

1996年、本社に技術開発部を新設し、自社商品開発を開始。1997年にはサービスを提供する事業者が契約者に対しサービスを保証する「SLA」(サービス品質保証)の考えに基づき、空質空調機器メーカーの業務用エアコンなどの組立を行う「SLA事業所」を新設した。

2006年、自社商品としてゴルフボールをスムーズに回収する「ナイスキャッチャー」とLED蛍光灯を開発・販売した。2011年には島田渉氏が3代目社長に就任。2018年からはデジタルマーケティングを活発化させ、WebサイトのリニューアルやSNSによる情報発信を積極的に行うようになった。

2020年には新型コロナウイルス対策として抗ウイルス・除菌フィルター搭載して空気中の臭いやウイルスを除去するLEDライト付き天井設置型空気清浄機「L&Air」を開発し、発売を開始。併せて感染症の原因となる細菌やウイルスへの不活性化効果が認められたスーパーアルカリイオン水「e-WASH」の生成装置および関連製品を受注生産・販売するようになった。

画像:地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断左:SBTやSDGsに取り組む企業姿勢をパンフレットにして社内外にPRしている/右:新たに完成した板金工場にはファイバーレーザ複合マシンACIES-2512AJを2棚・TK仕様で導入した

デジタルマーケティングを推進

島田社長は同社の業況について、次のように語っている。

「自社商品の売上構成比はまだ1ケタ台ですが、10%程度までは伸ばしたい。創業以来、継続取引をいただいている空質空調機器メーカーのお客さまの仕事は、売上全体の30%前後と安定しています」。

「2018年からデジタルマーケティングに取り組むようになりWebサイトをリニューアル。ソリューションサイト『精密板金加工 配線組立.com』を立ち上げ、設計から板金加工、電装組立まで対応する総合力をアピールしてきました。その効果もあって、最近はファブレスの企画会社や設計デザイン会社からの引合いが増加傾向です。先日は『サンプル自販機』などを製作しました。お客さまから構想図をいただき、設計から板金加工、組立まで当社が対応。現在は成田空港に設置されています」。

「今では手がける仕事の多くが試作・開発の仕事です。得意先は50~60社。コロナ禍の時期は医療機器や感染防止関連機器の仕事が増えました。現在は一服感がありますが、大きな落ち込みはありません」(島田社長)。

  • 画像:地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断本社工場のベンディングロボットシステムEG-6013ARによる曲げ加工
  • 画像:地球環境と自社の未来を守るため、「SBT」の認定取得を決断社長室の天井にはLEDライト付き天井設置型空気清浄機「L&Air」とともに2面の大型液晶画面が設置され、工場内のライブ映像を映し出す

会社情報

会社名
島田工業 株式会社
代表取締役
島田 渉
所在地
群馬県伊勢崎市長沼町2202
電話
0270-32-3516
設立
1980年(1973年創業)
従業員数
133名
主要事業
空調設備関連製品の設計・部品加工・製品組立、医療用冷凍保管庫・業務用食器洗浄機・半導体製造装置・理科学用機器・ポンプ用制御盤などの精密板金・プレス部品の設計・製造、自社企画商品の開発、製造開発支援業務など
URL
https://www.shimadaind.jp/

つづきは本誌2023年11月号でご購読下さい。

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