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板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上

パネルベンダーEP-2500AC導入で加工範囲を拡大

株式会社 三栄製作所

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画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上パネルベンダーEP-2500AC+パレット集積棚+ワーク反転装置のライン

受託加工と自社製品の2本柱

今年76歳の山岸正勝会長兼社長は、学校を卒業後、自動車部品製造会社へ入社、プレス加工の生産技術部門で技術力と管理力を磨いた。

40歳過ぎに新潟県にUターン。首都圏で仕事を集め、地元に仕事をまわす商社のような仕事を長岡市内で始めた。しばらくして医療機器メーカーの1次サプライヤーから心電図を載せる架台を受注するようになり、外部に委託していたのでは間に合わないため、1984年に医療用機器架台の設計製造を主とする三栄製作所(個人)を創業した。

創業から3年後の1987年には㈱三栄製作所として法人化。1991年には資本金を1,000万円に増資するとともに、現在地の燕市内に敷地面積300坪の新本社工場が完成し、移転。受託加工部門とは別に物流機器、店舗什器、オフィス家具の製造販売を開始した。

1998年には、山岸会長兼社長の念願だった塗装・組立工場が完成。設計・製造・塗装・アセンブリー・出荷までの一貫生産体制を確立した。

2001年にはパンチ・レーザ複合マシンAPELIOⅢ-357VNT、200トンプレス×4台、250トンプレス×2台が入る新工場が完成。24時間生産体制を確立し、資本金も4,000万円に増資した。2002年、屋内・屋外用のトランクルームや駐輪スタンドといった自社製品の製造を開始。2005年には事業拡大にともなって、第2大型板金工場を完成、パンチングマシンEMZ-3610NTP+ASR-510Mなどの板金加工設備を新たに導入した。

2006年には設備購入資金の一部として、第四銀行から銀行保証付私募債を発行するまでに発展。2007年には札幌市の板金加工企業、㈱富士スチール工業を100%子会社化し、2012年には吸収合併して三栄製作所・札幌事業所とした。

2010年にはトランクルームなどの自社製品の販売強化とゼネコンからの受注強化を目指し、東北と札幌に営業所を開設、業容を拡大した。

画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上中央が山岸正勝会長兼社長。向かって左側が大戸義夫常務、向かって右側が菊地伸一製造本部長

  • 画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-2512NTK
  • 画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上ベンディングマシンHG-5020、HG-1303が並ぶ曲げ加工エリア

一貫生産体制をモットーに事業を発展

現在では、トランクルームの売上が全体の25%を占め、それ以外の自社製品も加えると自社のオリジナル商品だけで売上全体の35%を占めている。残りの65%はオフィス家具、コンビニ・スーパー向けの店舗什器、工作機械カバー、コンプレッサー、空き缶回収ボックスなど多岐にわたっており、30社弱の得意先で受託売上の90%を占めている。自社製品には規格品が多いが、受託加工品は種類・大きさ・ロットともにさまざまだ。

山岸会長兼社長は「私は創業以来『顧客第一主義』を貫いてきました。受注から完成品までの一貫生産とデリバリーをモットーとし、3次元CADによる設計データを駆使することで、高品質・短納期生産を実現してきました。多品種少量生産は、現代日本の“標準”となりつつあります。そういうきびしい経営環境を勝ち抜くために、当社は若い力とITを活用し、板金工場のデジタル化によって、当社にしかできないコア技術を確立。当社に仕事を任せていただければ『何でもできる』といわれるようになってきました」。

「現在、三栄製作所・本社工場には100名、グループ会社も含めると合計約180名の社員がいます。毎年5名以上の新卒者を採用しています。新卒者の定期採用とともに、私が重視しているのが人材育成制度です。社員の定着率は他社と比べても高い。経営者として人を育てる喜びは大きく、社会貢献に役立っていると思います。会社が親身になって人材育成を継続すれば『人財』が育ち、企業発展は可能です」と語ってくれた。

  • 画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上補強材の溶接が終了した製品は組立工程へ送り出される
  • 画像:板金加工の可能性に挑戦、自社製品比率を35%まで向上電着(ドブ漬け)・粉体・溶剤などの各種塗装ラインを備えている

会社情報

会社名
株式会社 三栄製作所
代表取締役
山岸 正勝
住所
新潟県燕市小池5058-1
電話
0256-66-1451
設立
1987年
従業員数
180名(グループ企業を含む)
主要事業
自転車ラック、室内・屋外用トランクルーム、各種ロッカー、台車・物流機器製造販売・精密板金設計・製造・販売、キャスター製造販売、オフィス家具製造販売、静電塗装・粉体塗装
URL
http://www.sanei-pro.co.jp/

つづきは本誌2019年1月号でご購読下さい。

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