特集

“強み”を生かして成長する板金モノづくり企業

良いものに触れることでセンスを磨く

EML-AJ導入で高速・高品位加工と長時間連続運転を実現

株式会社 アベキン

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画像:良いものに触れることでセンスを磨く新潟県燕市にある㈱アベキンの本社事務所。洗練された外観で通行人の目を引く

カッシーナ、ハーマンミラーの一流品が随所に

画像:良いものに触れることでセンスを磨く㈱アベキンの阿部隆樹社長

㈱アベキンを訪問した日、燕市内は初降雪の予報が当たり、洗練されたデザインの同社の事務所もうっすらと雪をかぶっていた。

事務所に足を踏み入れて驚いた。同社が製造・販売するオフィス家具や店舗什器がゆったりと配置されたショールームとなっていて、青山や六本木のブランドショップのような壁什器と照明に映え、金属加工企業の事務所とは思えないインパクトがあった。

2階の受付には国内オフィス家具メーカーの洗練されたデザインカウンターが置かれ、社内で使用する家具には一流ブランドのものが使用されている。社長室にはフランスの建築家であるル・コルビュジエがデザインした「カッシーナ」製の応接セットやロッカーが配されていた。椅子は米国のデザイナー、イームズのデザインで知られる世界的ブランド「ハーマンミラー」のもので、一流ホテルの客室に置かれるような椅子が事務所にさりげなく置かれている様子に、阿部隆樹社長のこだわりを感じた。

「社内の備品・調度品は一流ブランドのものを使用しています。良いものに触れることでセンスを磨き、お客さまの要求品質に応えられる社員を育てたい」と阿部社長は語る。

同社は高度な板金加工技術をコアコンピタンスとする金属加工企業。売上の内容は、国内外のトップブランドの鋼製家具が60〜70%、国内大手スーパーなどの店舗什器が30%、スノーダンプやガソリン携行缶などの自社製品が10%弱となっている。最近は鋼製家具分野の売上を伸ばし、有名ブランドの鋼製家具や、大手販売チェーンが採用する店舗什器を製造するメーカーにもOEM供給している。

画像:良いものに触れることでセンスを磨く左:2019年に本社事務所1階にオープンしたショールームには、自社製のオフィス家具をはじめ、同社が製作するデザイン家具が展示されている/右:新潟大学病院向けに開発した検体回収トイレ

兄弟3人で鋼製家具・店舗什器を開拓

阿部社長は、同社の事業の変遷について、次のように語っている。

「当社は、1947年に燕市内で祖父が創業しました。洋食器の研磨業から始まり、洋食器業界が衰退する中、農機具やカゴ台車の設計・製作に転業し、プレス加工・板金加工・溶接・塗装・組立といった技術を培ってきました」。

「私は大学卒業後、鋼製家具メーカーで7年間勤めてから2003年に戻ってきたのですが、当時は債務が総資産を上まわる債務超過会社になっていました。思い切った経営の立て直しが必要と考え、アマダにも協力してもらって、パンチングマシンやレーザマシン、ベンディングマシンなどの最新設備を長期の割賦で導入。設備を一新して、新しい分野への転換を試みました」。

「鋼製家具業界での私の経験に加え、2人の弟もそれぞれが学校を出てから鋼製家具メーカー、店舗什器メーカーに入社し、業界のことを勉強してからアベキンに入社してきました。そして、兄弟3人の知識・人脈を生かして、鋼製家具や店舗什器などの製造・販売に取り組むようになり、OEMまで手がけることで業態も変わり、存続の危機を脱することができました」。

「10年前に私が社長に就任してからは、この路線をさらに加速させていきました。会社が変わるためには、設備更新と人材の開発・登用が大切です。そこで、会社事務所を現在のような洗練された建物にリニューアルし、優秀な人材の確保に注力しました」。

  • 画像:良いものに触れることでセンスを磨く2019年8月に導入したファイバーレーザ複合マシンEML-2512AJ+ASR-2512NTK
  • 画像:良いものに触れることでセンスを磨く静電焼付塗装ライン

会社情報

会社名
株式会社 アベキン
代表取締役社長
阿部 隆樹
住所
新潟県燕市小池1548
電話
0256-66-2531
設立
1963年
従業員数
67名
主要事業
店舗什器・ディスプレイ・オフィス・家具等の製造販売、ガソリン携行缶など自社製品の製造販売
URL
http://www.abekin.co.jp/

つづきは本誌2020年2月号でご購読下さい。

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