変種変量生産に対応するベンディング自動化システム
曲げロボット、ATC装備のベンディングマシンで自動化を推進
医療機器、半導体製造装置の仕事が好調
三条精密工業 株式会社
医療機器、半導体製造装置で売上全体の60%を占める
三条精密工業㈱は1952年に設立し、プレス加工から精密板金加工へと業態を変え、躍進を遂げてきた。お客さまの利便性を第一に考える「精密板金加工分野のコンビニエンスストア」として、幅広い要望に応えられるように最新設備を導入していった。加工技術を進歩させ、「お客さま価値創造に役立つ高付加価値な製造業」(丸山正晴社長)を目指している。
また、「精密板金加工はあらゆる工業製品において普遍的に必要不可欠」(丸山勝会長)という考えから、毎年のように東京ビッグサイトなどで開催される展示会に出展。有望な業界・業種を開拓しており、新潟県外の得意先からの売上が70%以上を占めている。
主力の医用画像診断装置(CTスキャナー)の仕事は2006年からスタートし、2023年まで高原状態が続くと言われる半導体製造装置の仕事は2017年からスタートした。今ではこの2業種だけで売上全体の60%を占めるなど、変化対応力を備えて成長してきた。
2020年に創業者である丸山勝氏が会長となり、41歳の丸山正晴氏が2代目社長に就任した。感染症対応、SDGs(持続可能な開発目標)、脱炭素社会の実現という経済・社会の変化に対応するために世代交代を行い、体質強化に乗り出した。
積極的な設備投資で生産能力を強化
今年5月には新工場を竣工して、溶接、検査・集荷ステーションを移設した。溶接作業にともなう粉塵、スパッタが仕掛り品や完成品に害をおよぼさないようにし、新工場も溶接エリアと検査・出荷ステーションを区分けした。
さらに「事業再構築補助金」に申請し、同社にとって2台目となるファイバーレーザ複合マシン、ファイバーレーザ溶接ロボット、自動金型交換装置付きベンディングマシンの導入を計画した。採択には漏れたが、2台あったパンチングマシンEM-2510NTのうち1台を更新し、今年8月にファイバーレーザ複合マシンEML Z-2512AJ+AS-2512NTK+ULS-2512NTKを導入した。
同社は2014年以降、設備投資を積極的に行ってきた。2014年にパンチ・レーザ複合マシンACIES-2512T+AS-2512NTK+ULS-2512NTK、2016年と2018年にベンディングマシンHG-8025を各1台、2017年にファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISとFLW用CAM VPSS 3i WELD、2018年にベンディングロボットシステムEG-6013AR+EGROBOTとベンディングロボット用CAM VPSS 3i ARBEND。2019年に自動金型交換装置(ATC)付きベンディングマシンHG-1003ATCと曲げ加工用CAM VPSS 3i BEND、2021年にEML Z- 2512AJ+AS-2512NTK+ULS-2512NTKを導入した。
さらに、2017年には各作業者にiPodを支給し、進捗・実績管理に取り組みはじめた。オーダー単位のガントチャートを作成し、負荷を“見える化”。生産の自動化・デジタル化を強化している。
会社情報
- 会社名
- 三条精密工業 株式会社
- 代表取締役会長
- 丸山 勝
- 代表取締役社長
- 丸山 正晴
- 所在地
- 新潟県三条市大字金子新田乙497-14
- 電話
- 0256-32-1740
- 設立
- 1952年
- 従業員数
- 35名
- 主要事業
- 医療機器、半導体製造装置、情報通信機器、電子機器・デバイス、サッシ・建築金物、産業機械・特殊機械装置、建材などの板金・プレス部品加工
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