技能検定「レーザー加工作業」へのチャレンジ
「待ち望んでいた資格」 ― 2名のエキスパートがチャレンジ
鋼板・鋼材の販売から加工、スクラップ回収までのワンストップソリューションを強化
株式会社 キヨシゲ
「レーザー加工作業」の新設は「待ち望んでいた」
㈱キヨシゲの小林光德社長は、2023年度から「技能検定」に「非接触除去加工(レーザー加工作業)」が新設されたことについて「ずっと待ち望んでいました」と語っている。
小林社長は2006年に2代目社長に就任して以降、「人を育てる仕組みづくり」に力を注いできた。中でも「技能検定」については「社員教育の背骨」(小林社長)と位置づけ、全社を挙げて受検者をサポートする体制、社員が自発的に資格取得を目指す環境を整えてきた。
2006年から2022年までの17年間で「工場板金」(機械板金作業・数値制御タレットパンチプレス板金作業)の特級・1級・2級の合格者は延べ50名以上。板金加工を手がける「加工センター」の日本人スタッフ約20名は、ほぼ全員が「工場板金」の資格を複数取得している。
そうした中で、今や板金加工の主力工程であるレーザ加工が技能検定に含まれていないことは、小林社長にとって長年の疑問だった。
「1991年に私が入社した当時は、シャーリングかタレパンで加工するのが基本で、レーザマシンはまだまだ普及途上でした。しかしその後、レーザ加工が猛烈な勢いで普及し、今では当社もシャーリングやタレパンよりもレーザで加工することの方が多い。これだけレーザ加工の重要度が増しているにもかかわらず、技能検定の対象になっているのは『機械板金作業』と『数値制御タレットパンチプレス板金作業』(NCT)のみ。『なぜレーザ加工の技能検定がないのだろう』と感じていました」(小林社長)。
「レーザー加工作業」が新設された今年度、同社では複数名の社員が受検を希望し、2名が1級を受検した。
「当社の場合、『機械板金』『NCT』はだいたい行き渡っていて、『機械板金』『NCT』の1級・2級と『工場板金』の特級――5つとも取得し、『もうチャレンジする資格がない』という者もいます。そういう社員からすると、今回『レーザ加工作業』が新設されたことはさらなる成長のチャンスが巡ってきたことになり、張り切ってくれているようです」(小林社長)。
“鐵”の入口から出口まで
㈱キヨシゲは、千葉県浦安市を中心に国内6カ所、ベトナム1カ所に拠点を持ち、「鋼材販売事業」「鋼材加工事業」「スクラップ回収事業」の3事業を展開している。「一途に鐵、一途にお客樣」をスローガンに、“鋼材流通加工サービス業”として、“鐵(てつ)”の入口から出口までのワンストップソリューションを提供できることが最大の特徴。売上構成は「鋼材販売事業」が50%、「鋼材加工事業」が35%、「スクラップ回収事業」が15%となっている。
1960年の創業当初は、プレス工場からのスクラップ回収業としてスタート。その後、シャーリングで加工した切板の鋼板販売を手がけるようになった。さらに、顧客の要望に応えるかたちでプレス加工、板金加工、形鋼加工、機械加工、溶接製缶と、2次加工の対応力を順次強化していった。
現在、浦安鉄鋼団地には主要4拠点が集い、「本社第一工場」ではシャーリングによる切板の加工、「本社第二工場」ではユニットワーカーやオートドリルソーによる形鋼の加工を主に手がけ、「本社第三工場」は素材倉庫、「加工センター」では板金加工を行っている。このほかにプレス加工を手がける「市川工場」(千葉県市川市)と「根本製作所」(群馬県太田市)がある。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 キヨシゲ
- 代表取締役社長
- 小林 光德
- 所在地
- 千葉県浦安市鉄鋼通り2-4-3
- 電話
- 047-351-7201
- 設立
- 1970年(1960年創業)
- 従業員数
- 110名
- 主要事業
- 鋼板・鋼材販売/鋼板・鋼材加工(プレス加工・板金加工・形鋼加工・機械加工・溶接)/スクラップ回収
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