特集

技能検定「レーザー加工作業」へのチャレンジ

レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦

精密板金部品の試作で培った高度なレーザ加工技術で、業界の発展に寄与

ツツミ産業 株式会社

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画像:レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦①加工機3台が並ぶレーザ加工エリア。治具から周辺装置まで含めた独自の改造を加えることで、加工機と一体になった加工技術を開発している/②2022年に導入したファイバーレーザ溶接システムFLW-6000ENSIS。事務所でプログラム作成を行うため、現場では治具の段取りと補正だけですぐに加工できる。ヘッドを交換することで立体形状への追加工など、切断加工にも対応する

18名のエキスパートが技能検定に挑戦

画像:レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦堤健登社長

ツツミ産業㈱は精密板金部品の試作専門企業。電気機器や自動車関連部品、OA機器など、精度が必要とされる製品の試作に特化することで培った高い技術力で、多くの得意先から「無審査認定工場」としての評価を得てきた。

同社が特に力を入れてきたのがレーザ加工だ。板金業界の中でも早い段階からレーザ加工の優位性に着目し、必要に応じてマシンの改良・改善を行いながら独自の加工技術を確立してきた。レーザ加工の普及が始まったばかりの1980年代に、レーザ加工による簡易積層金型を考案。この積層金型を活用して家電製品に使われる成形品の試作を手がけてきた。

同時にそれを扱う人材の育成にも注力。独自の「エキスパートシステム」により、作業者全員がプログラム作成からオペレーション、製品に応じた加工条件の設定、マシンのメンテナンスまで対応できるプロフェッショナルとなっている。

今回、レーザ加工グループのメンバー17名と堤健登社長の計18名が、初めて実施された技能検定「非接触除去加工(レーザー加工作業)」を受検した。

実技試験を終え、9月初旬に行われる学科試験に備える同社を訪ね、「レーザー加工作業」への期待と受検を決めた思惑について話を聞いた。

画像:レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦左:技能検定「非接触除去加工(レーザー加工作業)」を受検した堤社長(前列中央)とレーザ加工グループのメンバー17名/右:ベンディングマシンHDS-5020NT

多様な試作品への対応で培った高い技術力

ツツミ産業は1965年に堤健児会長が創業した。以来、58年間、精密板金加工品の試作に取り組んできた。試作にはスピードが求められる。同社は他社では技術的に対応が難しい高度な試作品を最短3日でデリバリーすることに挑戦し、実現させてきた。そのため設計から加工、溶接・組立、検査までをワンストップで行える製造体制を構築している。

中でも同社にとってコア技術となるのがレーザ加工である。1980年代にアマダの量産1号機となるレーザマシンが発売されるとすぐに導入。当時はレーザの切断面品質が悪く、酸化被膜が発生するなどの課題もあったが、堤会長はこれからの時代には必ず必要な技術であると確信し、レーザマシンの導入を進めていった。それから40年以上にわたり、レーザ加工技術のイノベーションに取り組んできた。

1980年代後半には積層金型の製作技術を確立した。レーザ加工のノウハウを採り込むことで、成形の際にひずみが発生しない加工を実現。当時は板金加工企業による金型製作は珍しく、かつ通常の金型よりも安価で製作できることから話題を呼び、試作の仕事が急増した。

時代の変化により要求精度がきびしくなってくると、アマダと協力して3次元プローブ付きレーザマシンLCF-1212 3Dを開発、特殊加工に対応した。また、鋳物ベッドを採用したレーザマシンLM-505に改良を加えることで、薄物や小物などの微細加工に対応していった。

同社は治具から周辺装置まで含めた改造を加えることで、加工機と一体になった加工技術を開発―それが同社独自の加工ノウハウにもつながっている。

  • 画像:レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦耐圧限界試験を行った6-4チタン製やTP270製のタンク
  • 画像:レーザ加工のエキスパート18名が「レーザー加工作業」に挑戦±0.05㎜の精度が求められるOA機器部品の加工サンプル

会社情報

会社名
ツツミ産業 株式会社
代表取締役
堤 健登
所在地
神奈川県相模原市緑区橋本台2-5-30
電話
0427-71-0380
設立
1965年
従業員数
60名
主要事業
テレビ・ビデオの機器部品の製作、通信機器・計測機器および事務機の機械部品の製作、音響機器の機械部品の製作、自動車関連部品の製作、各種金型製作、自社製品の開発・製造・販売など
URL
https://www.tsutsumi-s.co.jp/

つづきは本誌2023年10月号でご購読下さい。

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