技能検定「レーザー加工作業」へのチャレンジ
「スタートラインについたことが重要」 ― さらに価値ある資格へ
レーザ加工で40年の実績 ― 国内トップクラスのレーザジョブショップ
株式会社 インスメタル
「レーザー加工作業」の新設は「レーザ加工が普及した証」
技能検定に「非接触除去加工(レーザー加工作業)」が追加されたことについて、㈱インスメタルの福井英人社長は「レーザ加工が普及した証です」と語る。
「当社は40年前からレーザ加工に取り組んできましたが、この10年くらいで状況が大きく変わりました。15年くらい前までレーザマシンは特別・特殊な機械で、持っているだけで珍しがられたものです。しかし今では多くの板金企業に導入され、ごく一般的な加工設備になりました」。
「中でもファイバーレーザは、レーザ加工の普及に大きく貢献したと思います。CO2レーザは出力6kWを実現するのに約15年かかりましたが、ファイバーレーザは数年のうちに6kWどころか12kW、15kW、20kWと高出力化しています。登場したばかりの頃はステンレスや厚板の加工品質に課題がありましたが、ここ10年で大きく改善しました。その一方で、高反射材に対応でき、レーザガスが不要で、光学部品が少なく、使用電力量がCO2レーザの半分以下になるというファイバーレーザのメリットが評価され、急速に普及が進んできました」と福井社長は振り返る。
高度化・多様化するレーザ技術 ― 「スタートラインについたことが重要」
産業用レーザとしては、ファイバーレーザだけでなくディスクYAGレーザやDDL、微細加工の分野では各種短パルスレーザが順次実用化され、新たな高輝度レーザの研究も進んでいる。用途も、高出力化によりプラズマ切断からレーザ切断への置き換えが始まりつつあり、切断だけでなく溶接や表面改質、積層造形(AM)にも活用されている。
こうした状況を踏まえ、福井社長は「レーザの種類・用途はあまりに広く、開発スピードはますます加速しています。今のうちにレーザ加工の技能を客観的に評価する仕組みづくりに取り組まないと、開発スピードに追いつけず、検定の実現がますます難しくなるのではないかという危機感もありました。その意味でも、今回『レーザー加工作業』が新設されたことは大きいと思います。関係者の方々は、本当によくやってくれました。初めてなので課題はいろいろあったと思いますが、まずはスタートラインについたことが重要です」。
「今回の試験では、加工機はCO2レーザまたはファイバーレーザのどちらも選べるようにし、出力は2~6kW、材料は軟鋼の4.5~9㎜またはステンレスの4~6㎜と、薄板~中板の一般板金の分野を対象にしています。今後は微細や厚板、溶接などの分野も取り込みながら細分化し、内容を充実させてほしいと思います」と語っている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 インスメタル
- 代表取締役社長
- 福井 英人
- 所在地
- 千葉県浦安市鉄鋼通り1-7-1
- 電話
- 047-355-6511
- 設立
- 1967年(1962年創業)
- 従業員数
- 135名
- 主要事業
- レーザ切断加工、ウォータージェット切断加工、溶接加工一式、折り曲げ加工、鋼材加工販売
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