ファイバーレーザ化が進む台湾板金業界
レーザジョブショップから板金総合メーカーへ
ENSIS-3015AJ導入で生産性は2倍に改善
瑋宸精密工業 股份有限公司
2003年に姉弟が創業
瑋宸精密工業股份有限公司は、董事長である李榮耀さんと経理担当の実姉・李秀瑛董事の2人で、2003年に彰化縣内の小さな貸工場からスタートした。
当初、2人はある金型工場で働き、李董事長がマシニングセンタ、李董事がワイヤ放電加工機を操作して金型製作の仕事を手がけていた。しかし、どこにでもあるような設備だけでは、同業者との受注競争が先々大変になる。他社にない設備を導入し、技術力を生かせば成功できる―ふたりは、普及期をむかえつつあったレーザマシンを導入し、多品種少量の仕事を受注して独立することを考えた。
李董事長は「金型を使った量産の仕事は、今後中国へ移管され、台湾に残るのはロットの小さい多品種少量の仕事だと思いました。そこでレーザマシンを導入して、金型レスでロット100個以下の多品種少量生産に特化する会社を設立しました」と振り返る。
「パッションを感じた」 ― アマダ台湾から導入
レーザマシン導入に際しては、アマダをはじめとする複数のメーカーから見積りを取り、検討した。最終的には営業マンのパッションを感じ、サービス体制が充実していたアマダ台湾から4kWのCO2レーザ発振器を搭載したFO-3015を導入した。当時は知り合いから仕事を紹介してもらうことが多かったが、徐々に認知され、レーザジョブショップとしての地位を確立していった。
当初、李董事長はプログラム作成、マシンのオペレーション、納品・営業と、ひとりで何役もこなし、ふたりとも寝る間を惜しんで働いた。そのうち2名の社員が入社、2交代のローテーションを組み24時間フル稼働、顧客の要望にきめ細かく対応していった。昼夜を問わぬ努力が成果を挙げ、顧客が増え、仕事も増えていった。
仕事が増えてくると、レーザマシン1台だけでは足りない。そこで2007年に4kWのCO2レーザ発振器を搭載したFO-3015NTを導入、2台体制で生産能力を倍増させた。
会社情報
- 会社名
- 瑋宸精密工業股份有限公司
- 董事長
- 李榮耀
- 住所
- 台湾・彰化縣埔心郷芎蕉村鎮福街97巷136-1號
- 電話
- +886-4-8282519
- 設立
- 2003年
- 従業員数
- 27名
- 主要事業
- レーザジョブショップ、自動車・バイク板金関連部品の製造
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