5年間で4台導入 ― 「完成度の高いレーザマシン」と評価
高出力レーザで高速加工を実現する
株式会社 レーザーテクノ
2019年6月に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(9kW)。加工が終了すると、ほかのマシンの作業者も集まり、バラシ・仕分け作業を一気に終わらせる
新工場への移転のタイミングでENSIS-AJ(9kW)を導入
「キャパシティーのないところに仕事は流れてこない」と語る松井弘社長
㈱レーザーテクノは2019年5月、新潟県田上町内にあった工場と事務所を現在地の新工場に移転・集約した。投資総額は約4億5,000万円。新工場の敷地面積は約1万㎡で、2階建ての事務所の延べ床面積は約265㎡、平屋建ての工場は約1,820㎡。工場の床面積は従来の工場と比べて約2倍の広さとなった。
新工場には、従来の4台のレーザマシンに加え、新たに出力9kWのファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ+LST-3015Gを導入した。
受注量が増加するなか、従来の工場では材料の保管スペースが加工マシンから遠く、クレーンによる運搬に時間がかかるなど、効率に課題があった。新工場ではレーザマシンを中心にレイアウトを大幅に変更。レーザ加工後の曲げ加工や機械加工といった工程のスペースを増やし、生産性を15~20%向上させることを計画している。
「前の工場が手狭になっていたことから、工場移転の考えは以前から持っていました。そんな中で2018年3月頃に取引金融機関のご支援をいただくことができ、新工場への移転計画が具体化しました。移転先は、それまでの工場からJRの線路を挟んで反対側にあった工業団地。過疎化していた土地で、手続きはスムーズでした」と松井弘社長は語っている。
加工が終わると、各マシンの回転灯を見て各マシンの作業者が駆け寄り、すぐにバラシ・仕分け作業を終わらせて、次の材料をテーブルに載せる
SPCC・板厚3.2㎜のシートから多数個取りした製品。FLC-3015AJ(9kW)は、中板の高速切断に活用している
2015年から4台のレーザマシンを導入
同社は2015年に大板・厚板加工用のCO2レーザマシンFO-MⅡ 4222NT(6kW)、翌2016年にファイバーレーザマシンFLC-3015AJ(4kW)、2018年にはFLC-3015AJ(9kW)と、立て続けに3台の新型レーザマシンを導入してきた。それによって生産性が改善するとともに、対応可能な板厚の範囲が広がり、加工領域を拡大してきた。
そうした中での新工場移転で、広いスペースを活用し、ENSIS-AJ(9kW)を導入することで市場ニーズへの対応力を高めるとともに、中長期的な人員強化まで視野に入れている。
松井社長は「新工場では、生産プロセスの“見える化”を進め、加工待ちなどの待機時間、段取り時間の大幅削減をはかり、設備稼働率を改善することで、生産性向上を目指します」と語っている。
同社の2018年9月期の売上高は前期比20%増の約5億5,000万円となり、過去最高を更新。2019年9月期は市況の悪化で売上高はほぼ横ばいとなったが、今期は新工場移転とENSIS-AJ(9kW)導入により売上増を目指す。
左:ファイバーレーザマシン3台とCO2レーザマシン2台、計5台が並ぶ/右:CO2レーザマシンFO-MⅡ 4222NT(6kW)は厚板加工を中心に行う
会社情報
- 会社名
- 株式会社 レーザーテクノ
- 代表取締役社長
- 松井 弘
- 住所
- 新潟県南蒲原郡田上町大字田上125-29
- 電話
- 0256-57-2633
- 設立
- 1996年
- 従業員数
- 33名
- 主要事業
- 平板レーザ加工専業
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