棚システム仕様とシャトルテーブル仕様 ― 2台のENSIS-AJを一挙導入
「ENSIS-AJはエコなものづくりに欠かせないマシン」
大同鋼材 株式会社
鋼材販売・レーザ加工・曲げ加工を展開 ― 2022年9月に事業譲渡
大同鋼材㈱は1969年、神奈川県川崎市で鋼材販売を主とした加工工場として創業した。1995年に千葉県浦安市の浦安鉄鋼団地に移転。2001年に千葉県市川市塩浜に移転し、レーザ加工を開始した。
2009年に千葉県鎌ケ谷市および柏市に移転し、230トンのベンディングマシンを導入して曲げ加工にも対応するようになり、2010年に現在地へ移転した。
2022年9月、川崎市内に本社工場がある日本高速削孔㈱(猪野壽男社長)にM&Aで事業譲渡した。
日本高速削孔は50年以上にわたり、BTA(ボーリング・トレパン加工)方式の深穴加工を手がけてきた。深穴加工技術は、射出成形機や押出機などのシリンダーやスクリューの中心孔、ロール、ローター、ジャーナル、クランクシャフトの中心孔、および偏芯加工穴、原子力用CRD(制御棒駆動機構)部材、風力発電のギア、油圧駆動装置のシリンダーやマニホールドブロック、掘削用のパイプおよびツールジョイント、海底ケーブルの中継器カバーなどに用いられている。
日本高速削孔はかねてから、自社の深穴加工技術とのシナジーを期待できる金属加工事業の取り込みを考えていた。2022年9月、金融機関の仲介で事業譲渡を考えていた大同鋼材の大竹口進前社長から全株式を買い取り、グループ会社とした。
同時に、日本高速削孔・川崎工場の取締役工場長だった河野喜一郎氏が、大同鋼材の社長に就任した。河野社長はレーザ加工の経験がなかったため、譲渡契約の際に期限付きで大竹口前社長が顧問として残ることになり、事業譲渡にともなう混乱を避けるとともに、河野社長にレーザ加工や鋼材販売のノウハウを引き継いでいくことになった。
シャーリング、スリッターからレーザ加工へ ― レーザマシン2台の更新を検討
大竹口顧問は、レーザマシンを活用してきた経緯と設備更新の背景について次のように語っている。
「当社は私の父である大竹口照次前会長が個人創業し、当初はシャーリングで加工した切板を販売していました。その後、スリッター加工も手がけるようになり、コイル材分野も取り込みました。2001年からレーザ加工を行うようになり、2003年には5´×10´のテーブルに5kWのCO2レーザ発振器を搭載したレーザマシンを導入して、当初のレーザマシンと入れ替えました」。
「2006年には2×6mのテーブルに4kWのCO2レーザ発振器を搭載した2台目のレーザマシンを導入。シャトルテーブル仕様のレーザマシン2台体制となりました。2台ともリース契約で、リース期間が満了になるたびに再リースして使ってきました。しかし、導入してから15年以上が経過すると、経年劣化が目立ってきました。そこで、数年前から2台のレーザマシンの更新を検討し始めました」。
「ランニングコストを大幅に削減できるファイバーレーザマシンへの更新を決断しようとした矢先、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年6月以降の仕事量が30%ほど減少しました。設備更新の話はいったん中断しましたが、2021年に入って仕事量が回復傾向となったため再度検討を始めました。アマダのほか海外メーカー2社、日系メーカー2社のレーザマシンを検討しましたが、各社とも甲乙つけがたい内容でした」。
会社情報
- 会社名
- 大同鋼材 株式会社
- 代表取締役会長
- 猪野 壽男
- 代表取締役社長
- 河野 喜一郎
- 所在地
- 千葉県市川市田尻1-13-1
- 電話
- 047-377-2766
- 設立
- 1972年(1969年創業)
- 従業員数
- 16名
- 主要事業
- 鋼材販売全般、レーザ加工、曲げ加工
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