金属加工の未来を共創するAGIC
進化するベンディング自動化技術 ― 「EGB-1303ARse」
スキルレス化と長時間安定稼働を追求
株式会社 アマダ 先端技術開発PJ 次世代ベンディング商品PJ
進化を続けるベンディング自動化技術
アマダは、昨今の労働環境や環境問題に寄り添う「誰でも・どこでも使える、環境にやさしいベンディングマシン」をコンセプトとして掲げ、単体汎用機から自動機までのラインナップを備えた新ベンディングマシン「EGBシリーズ」を開発・発表しました。
その中でも、アマダが世界初のベンディングロボットBM-100を1986年に発表して以来、長年お客さまとともに培ってきたベンディング自動化技術の進化について、新ベンディング自動化マシン「EGB-1303ARse」とともに紹介します(図1)。
【特徴①】 環境に配慮した曲げ加工機
環境に配慮し、ベンディングマシン本体の駆動方式を油圧ハイブリッドから電動サーボに切り替えました。
従来のベンディングマシンは、600kNを超える加圧能力の実現は非常に困難でした。従来機種の「EGシリーズ」は、「テーブル上昇・下降時の高速移動」と「曲げ加工時の高出力」の2つのモードをそれぞれ独立した2つのモーターに分担させていましたが、それでも最大600kNクラスまでの駆動が限界でした。
ベンディングマシンで最も需要がある1300kNクラスまで電動化に対応した機種を拡大するためには、ベンディングマシン専用の電動サーボドライブシステムの新たな開発が不可欠でした。
● 独自の電動ドライブシステムの開発
加工テーブルの駆動軸は、「テーブル上昇・下降時の高速移動」と「曲げ加工時の高出力」の2つのモードを、モーター内蔵のクラッチ機構を用いて減速比を切り替え可能とする技術を独自に開発しました。これにより、1つのモーターで曲げ加工に必要な2つのモードの効率的な切り替えを実現し、モーターの大容量化を回避して、省スペース性と保守性を向上しました(図2)。
また、電動化のメリットとしては次のようなことが挙げられます。
① 従来の油圧式では不可欠だったオイル交換とオイルの廃棄が不要になり、メンテナンスコストを大幅に低減。オイル使用量は最大93%削減となる。
② テーブル駆動の応答性と最大速度の改善により、1ショットあたりのサイクルタクトが最大15%向上する。ロボットとテーブル上昇動作の協調動作(トラッキング)の最高速度が従来の2倍に向上する。
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