特集

ベンディング自動化の最新動向

3種類のベンディングロボットを活用 ― 曲げの生産能力は約2倍に

自動化は最重要テーマのひとつ ― マテハンロボットの実用化に期待

株式会社 イシザキ

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画像:3種類のベンディングロボットを活用HG-2204ARm(左)、EG-6013AR(中央奥)、HG-1003ARs(右奥)と3種類のベンディングロボットシステムが並ぶ。主担当者は1名。曲げ工程の生産能力は2倍ちかくに向上した

生産プロセスの自動化・無人化を推進 ― 売上高は5年間で30%増

画像:3種類のベンディングロボットを活用石崎健二社長(左)と石崎智行専務(右)

㈱イシザキは2017年から2021年にかけて3台のファイバーレーザ複合マシンと3種類のベンディングロボットシステム(220トン・100トン・60トン)を導入し、ブランク・曲げ工程の自動化・無人化を強力に推進した。これにより工場全体の生産能力・生産効率は大幅に改善。とりわけ曲げ工程の生産能力は約2倍に向上し、受注の受け皿が広がったことで業績も拡大した。

それと並行して、上流工程では設計代行や設計支援の機能を強化し、下流工程ではリベットなどによる組立事業を本格的にスタートした。サブアッシー単位の一式受注に対応できるようになったことで構成部品の受注品目数も増え、売上高は5年間で約30%増加した。

今後は引き続き生産プロセスの自動化を進めつつ、組立配線・電装組付まで採り入れることで社内一貫生産体制の構築を目指していく方針だ。

画像:3種類のベンディングロボットを活用左:HG-ARsで加工する製品の中には12~13工程で金型段取りが5回必要なものもある/右:これからHG-ARmで加工する大型製品。サイズ2,000×1,000㎜、SPCC・板厚1.0㎜、曲げ工程数12工程

パイプ加工・組立と板金加工とプレス加工 ― 住宅設備機器が主力

同社は住宅設備機器をはじめ、事務機器(パーテーション)、建材関係、アミューズメント機器、介護機器、産業機械・装置などを幅広く手がけている。

製造部門別の売上構成は、住宅設備機器向けの「パイプ加工・組立」が50%、「板金加工」が40%、「プレス加工」が10%となっている。「プレス加工」は500トンのダブルリンクプレスやサーボプレスも設備しているが、あくまで「板金加工」を補完する位置づけで、総生産数量が見込める製品や絞り形状の加工などを一部プレス化している。

得意先は約50社で、そのうち主力の3~4社で売上全体の80%程度を占める。主力の住宅設備機器部品は全体の60%超を占めるものの、「パイプ加工・組立」が50%、「板金加工」「プレス加工」が合わせて10%超という内訳で、「パイプ加工・組立」の比重が大きい。

「板金加工」の中では住宅設備機器部品が約30%。残り70%は介護用品、アミューズメント機器、事務機器、産業機械などがそれぞれ20%以下で細かく分散している。

中心ロットサイズは100~500個、リピート率は70~80%と量産の傾向が強い。ただし、リピート率は業種によってまちまちで、住宅設備機器は約90%、介護用品はほぼ100%がリピート品だが、事務機器関係は物件ごとに寸法が変わるためほぼ100%が新規品。アミューズメント関係も機種ごとに設計が変わるため新規品の割合が高い。

加工材料は鉄系80%、ステンレス18%、アルミ2%。板厚は0.3~6.0㎜が多く、ボリュームゾーンは1.0~3.2㎜となっている。

  • 画像:3種類のベンディングロボットを活用ブランク工程には3台のファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJを導入。そのうち2台(写真)は6段パレットチェンジャー+TK仕様
  • 画像:3種類のベンディングロボットを活用リベットなどによる組立事業をスタートし、サブアッシー単位の一式受注に対応している

会社情報

会社名
株式会社 イシザキ
代表取締役
石崎 健二
所在地
茨城県筑西市知行字八幡山441-1
電話
0296-21-7700
設立
1974年(1947年創業)
従業員数
150名
主要製品
住宅設備機器用部品(バス・トイレ・キッチン)、事務機器用部品(パーテーション)、建材関係、アミューズメント機器用部品、各種筐体、医療機器・介護用品の製造
URL
http://www.kk-ishizaki.co.jp/

つづきは本誌2022年11月号でご購読下さい。

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