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創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開

サーボプレス順送ラインが高速・高精度・安定加工を実現

六和精工 株式会社

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画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開2019年に導入した3台目のサーボプレス順送ラインSDE-2025iⅢ。ヘルメット金具や安全帯金具といった剛性が求められる製品の加工に活躍している

「大量生産」「自社一貫生産」「品質管理」が強み

画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開田中克宗社長

六和精工㈱は東京都調布市と茨城県坂東市の2カ所に工場を構える金属プレス加工企業。サーボプレス3台を含む順送プレスラインによる「大量生産・コストダウン」、金型製作・金属プレス加工・表面処理・溶接・アセンブリーにワンストップで対応する「自社一貫生産」、独自のQMS(品質マネジメントシステム)と最新検査機器による「品質管理」を強みに、幅広い業種・製品を手がけている。

同社を象徴する製品が、70年超にわたって手がけてきた鞄用金具・錠前部品だ。ものづくりの標準化が進んだ今でも、熟練の職人が持つ技術・技能と総合的な課題解決の能力が求められる。同社が多種多様な仕事に携わるようになってからも、事業の根幹を成す特別な製品となっている。

同社は、鞄用金具・錠前部品の仕事で培ってきた技術・ノウハウを他業種へと展開することで事業を拡大。2016年に田中克宗氏が4代目社長に就任してからは、最新の加工設備を積極的に導入し、同社の強みをさらに活かせる体制づくりに取り組んでいる。

  • 画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開田中社長が就任してから順次導入したシングルクランクプレス×5台のタンデムライン
  • 画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開茨城第二工場に設置された画像寸法測定器と3次元測定器。独自のQMSと最新検査機器による品質管理も同社の強みだ

創業118年の信頼と実績

六和精工は1905年(明治38年)に東京・日本橋で創業した社歴118年をほこる老舗企業。創業当初は卸問屋として主に「信玄袋」を取り扱い、ほどなくして鳩目のような服飾系金具類の製造・輸入・販売を手がけるようになった。

戦前から戦中にかけては東京・淀橋(現・新宿区)で軍需工場として操業。戦後は東京・国立市へ移って鞄用金具・錠前部品のプレス加工を手がけるようになり、民生向け金属プレス加工企業としての基礎を築いた。

株式改組により現在の「六和精工㈱」となったのは1956年、現在の本社所在地(東京・調布市)へ移転したのは1964年のこと。戦後から手がけるようになった鞄用金具・錠前部品のプレス加工は、その後も同社の中核事業として現在に至るまで絶えることなく続いている。

転機が訪れたのは、バブル絶頂期の1980年代末期。主力製品である鞄用金具の仕事量の増加が見込まれ、1988年に「茨城工場」を開設した。しかし、海外生産移管の流れが加速する中で、茨城工場の仕事量は当初の見込みを大きく下まわり、必要に迫られて新分野の開拓に乗り出した。

その結果、従来の鞄用金具・錠前部品に加え、関東圏のメーカーから農業機械のマフラーカバーやアミューズメントマシンのスライドレールといった仕事を新たに獲得。それ以降も新規開拓を続け、事業領域を広げていった。

  • 画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開戦後以来70年超にわたって手がけてきた鞄用金具・錠前部品
  • 画像:創業118年 ― 鞄用金具・錠前部品のものづくりノウハウを他業種へ展開ヘルメットの顎ひも留め具(SUS304・板厚1.2㎜)。SDE-8018の順送ラインで加工している

会社情報

会社名
六和精工 株式会社
代表取締役
田中 克宗
本社・工場
東京都調布市染地2-29-6
茨城工場
茨城県坂東市みむら641-1
電話
0297-34-3016(茨城工場)
設立
1957年(1905年創業)
従業員数
50名
事業内容
産業用・建築用・家具用・金属部品・プラスチック部品の製造/鞄・袋物・ケース付属金具の製造販売/金型製作・金属プレス加工・タッピング加工・アーク溶接・スポット溶接・プラスチック溶着・組立全般・ベンダー加工・パイプ加工・バレル研磨
URL
https://rikuwa.com/

つづきは本誌2023年5月号でご購読下さい。

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