成長する医療機器産業をサポートする板金加工
ハイテク・ソリューション事業でグローバルトップをめざす
医用システムで「Challenge to Change」(変革への挑戦)を推進
株式会社 日立ハイテクノロジーズ/株式会社 日立ハイテクマニファクチャ&サービス
①自動分析装置LABOSPECT 006/②自動分析装置LABOSPECT 008α
ハイテク・ソリューション事業でグローバルトップをめざす
㈱日立ハイテクノロジーズ(以下、日立ハイテク)は、日立グループでも高収益企業のひとつだ。2017年3月期決算によると、売上収益は前期比2.5%増の6,445億円、当期利益は同11.6%増の402億円を計上し、ROE(株主資本利益率)は11.9%となる。
ミッションには「お客様が最先端・最前線の事業創造企業になっていただくために最大限の貢献をする」を掲げ、科学・医用システム、電子デバイスシステム、産業システム、先端産業部材の4つのセグメントにおいてグローバルに事業を展開している。
その中で、体外診断市場におけるグローバルプレイヤーになることをめざす「科学・医用システム」事業部門の売上収益は、前期比5.2%増の1,861億円と全体の約30%を占める。決算説明資料によると、2015〜2018年の年平均成長率は、生化学・免疫検査市場では2~5%、遺伝子・細菌検査市場では7~10%を見込む。そのため、既存事業や新規事業に向け、九州の拠点に建屋を増設し、製品開発力や価格競争力の強化をめざしている。
また、中国国産品優遇政策や試薬需要の増大に対応するため、新会社日立診断産品(上海)を中心に中国試薬メーカーとの協業も検討している。新商品である新高速免疫分析装置の販売を開始し、新大型生化学分析装置の拡販も計画している。さらに、米国・プロメガ社との協業による小型CEシーケンサの立ち上げと国内販売もスタートしていく。
左:日立ハイテクの渋谷武志統括主任技師(左下)、塙雅明那珂地区生産本部副本部長(中央)、稲吉進医用システム第一設計部長(右下)、日立ハイテクマニファクチャ&サービスの入江淳一グループ長(左上)と佐藤嘉洋副部長(右上)/右:茨城県那珂市にある㈱日立ハイテクマニファクチャ&サービスの第6事業所
国内の市場環境は厳しい状況
国内の臨床検査市場は、富士経済が発表した2019年の市場規模予測によると、生化学検査薬は2013年比2.2%増の795億円、生化学検査装置は同13.3%増の94億円、血液検査薬は同6.4%増の431億円、血液検査装置は同6.8%減の69億円と予測されている。
検体検査装置は試薬メーカーとの協業が欠かせない。近年は、生化学検査・血液検査ともに新規項目の発売はなく、また検査薬・試薬単価の引き下げにより、市場環境は厳しい状況にある。ただ、生化学検査については、血糖分析装置(ハンディタイプ)の需要拡大が続いているほか、特定健康診査の実施率が目標に達していないことから、両検査の潜在需要の掘り起こしに期待されている。
ブランク工程。ファイバーレーザ複合マシンACIES-2512B-AJ+RMP-2512TK(手前)と、パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTP+MJC(奥)。両機とも自動倉庫MARSと連動している
ベンディングロボットシステムEG-6013ARによる曲げ加工
会社情報
- 会社名
- 株式会社 日立ハイテクノロジーズ
- 執行役社長
- 宮﨑 正啓
- 住所
- 東京都港区西新橋1-24-14
- 電話
- 03-3504-7111
- 設立
- 1947年
- 従業員数
- 1万317名(連結)、3,811名(単独)
- 主要事業
- 科学・医用システム・電子デバイスシステム・産業システム・先端産業部材
会社情報
- 会社名
- 株式会社 日立ハイテクマニファクチャ&サービス
- 取締役社長
- 高根 淳
- 住所
- 茨城県ひたちなか市市毛1040
- 電話
- 029-276-6340
- 設立
- 2004年
- 従業員数
- 1,590名
- 主要事業
- 回析格子・光学系素子部品加工、医用ノズル・微細加工、精密プラスチック成形加工、医用ユニット・バイオユニット組立、プリント回路板実装設計・製造、精密ユニット・医用消耗品、ハーネス製造、半導体関連評価装置の設計、製造、加工・精密板金
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