特集

コロナ下でも安定成長する食品機械と板金加工

「MOTTAINAIエンジニアリング」

グローバル展開を視野に「食品ロス削減」に挑む

株式会社 タカハタ

LINEで送る
Pocket

画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応①自社ブランドの豆腐製造装置。モデル工場である兵庫工場では1日13万丁の豆腐製造を行っている/②自社ブランドの食材乾燥機。食品加工工場で廃棄されていた食材(芋類・果実類・野菜類など)を瞬時に乾燥させ、食品として再利用できる

15年間で従業員数13倍、年商15倍に成長

画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応高畑洋輔社長(オンラインインタビュー中)

産業機械装置・受配電盤などの受託加工・OEM生産と、自社ブランドの食品機械(豆腐製造装置・食材乾燥機)を展開する㈱タカハタが、さらなる事業拡張へ邁進している。2019年には「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーに新工場を開設した。自社ブランドの食品機械事業では、年内発表を目指して食品の品質ロス低減に貢献する新商品を開発中。2021年以降には第6工場を開設するとともに、農業法人を設立して有機農業事業にも進出する計画だ。

3代目社長の高畑洋輔社長は、2005年に入社して以来、破竹の勢いで同社を発展させてきた。機械・電気・制御の設計開発から、板金加工・機械加工・溶接・研磨・塗装・組立配線・据付・メンテナンスまで一手に手がけるワンストップ体制を構築し、多様化・複雑化する市場環境に対応した新たな事業の開拓に挑戦し続けている。

2011年には自社ブランドの食品機械を開発・製造する食品事業を新たに立ち上げ、豆腐用殺菌冷却装置を開発。2016年には兵庫県宍粟市に豆腐製造の「モデル工場」として兵庫工場を立ち上げ、そこで製造した豆腐を販売するとともに、豆腐製造の現場から得た課題・ノウハウを自社製品に反映し、顧客に提案するビジネスモデルを構築した。2018年には豆腐工場で大量に廃棄される「おから」に注目、食品廃棄物を食品として再生できる食材乾燥機を開発、「乾燥事業」を新たに立ち上げた。

2019年8月にはミャンマーのティラワ経済特区に工場を建設し、経済発展が期待されるミャンマーで新市場開拓に挑んでいる。

2005年に高畑社長が入社した時点では従業員数14名、年商2億円程度だったが、その後の15年間でグループ従業員数180名(約13倍)、年商30億円規模(約15倍)の企業グループに成長した。その実績が評価され、2019年には経済産業省から、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手として「地域未来牽引企業」に選ばれた。

  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応2019年8月にミャンマーのティラワ経済特区で開設したミャンマー工場
  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応今年9月に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2515T-AJ

コロナ禍の影響大 ― 「今は辛抱の時」

2020年6月期の業績は前期比で横ばい。前半(2019年7月~12月)は好調だったが、後半(2020年1月~6月)は低調に推移した。特に2020年3月~6月の4カ月間は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大の影響が大きかった。

「受託加工も食品機械も、コロナ禍の影響で営業活動が思うようにできていません。当社の工場は通常どおり操業していましたが、生産が落ち込む月は雇用調整助成金などの支援制度も活用しました。緊急事態宣言が解除された後も、平時のようには活動できていません」。

「当社の豆腐工場(兵庫県)の生産量は昨年と同レベルです。新型コロナの感染拡大により内食志向が高まり、豆腐の販売数が一時的に伸びましたが、今は落ち着いています。昨年完成したミャンマー工場は、コロナ禍で日本と行き来できず、十分な営業活動ができていません。なかなか計画どおりにはいかず、今は辛抱の時です」(高畑社長)。

  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応ファイバーレーザ溶接システムFLW-4000。長手方向に6m走行可能で、天井にはクレーンで製品を投入できる開口部を設け、搬出入を簡便にしている
  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応海外向け食品機械装置の組立作業。現地調査から据付・調整まで自社で行っている

会社情報

会社名
株式会社 タカハタ
代表取締役
高畑 洋輔
所在地
香川県高松市三谷町3234-10
電話
087-888-5852
設立
1967年
従業員数
185名
事業内容
①電機事業:受配電設備の盤製作、機械制御盤の設計・製作/②機械事業:産業機械・食品機械・FA機械の開発・設計・製造・据付・メンテナンス/③食品事業:豆腐・厚揚げなどの大豆加工製品の製造・販売、商材販売/④乾燥事業:おから・野菜などの食品廃棄物の有効利用
URL
http://www.takahata.cc/

つづきは本誌2020年10月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから