特集

中長期的な発展が見込まれる半導体製造装置と板金加工

半導体製造装置関連も“剣山方式”で安定受注

“総合力”で精密小物から精密製缶、OEM生産まで幅広く対応

株式会社 渡辺製作所

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画像:半導体製造装置関連も“剣山方式”で安定受注「第2製造部」の組立工程。オールリベット構造の通信機器ラックや半導体・FPD製造ライン向け恒温循環装置(チラー)などの組立を行っている

“剣山方式”のビジネススタイル

画像:半導体製造装置関連も“剣山方式”で安定受注代表取締役の渡辺松次郎氏

「当社のビジネスは“剣山方式”。特定の業種・お客さまの依存度が高くなりすぎないよう、細かく分散しています」と渡辺松次郎社長は自社のビジネススタイルについて語る。

㈱渡辺製作所の得意先は400社超で、定期的に受注する得意先も200社を超える。手がけている業種は、主なものだけでも半導体製造装置、食品機械、粉体機器、包装機械、医療機器、介護機器、アミューズメント機器、環境機器、住宅設備、通信機器、受配電盤、電力機器、産業用電子機器など多岐にわたる。商圏も、三多摩エリアを中心としながら、東北から九州までの広範囲にわたっている。最近はWeb受発注サービス経由で粉体プラント向けの大型筐体なども受注している。

特定の業種・得意先に依存しないビジネスモデルによって、景気変動がある中でも安定して年間売上高12億円超をキープ。2020年7月期は、第4四半期(5-7月期)にコロナ禍の影響を受けながらも、前期比で売上微減・利益微増の12億8,000万円を確保した。

渡辺社長は「コロナ禍の影響はやはりあります。案件が一部先送りになっているものもありますし、全体的に“仕事”はあっても“仕事量”は低調なイメージです。受注はしても件数・数量が少ないので、なかなか数字が上がっていきません。ただ、“剣山方式”のビジネススタイルのおかげで、今のところ売上の大きな落ち込みはありません。8月・9月は例年に比べてやや低調でしたが、10月以降は満杯の状態です」と語っている。

画像:半導体製造装置関連も“剣山方式”で安定受注左:ブランク工程には計9台のマシンを設備。自動倉庫MARS(左)にパンチ・レーザ複合マシンACIES×2台など3台が接続。向かい合うかたちでファイバーレーザマシンENSIS-AJ(奥)など4台が並ぶ/右:ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(3kW)。加工品質に優れ、厚板・高反射材の加工にも対応する

「総合板金加工企業」として発展

同社はこれまで、開発・設計・生産という3つの技術を融合したものづくりのノウハウを研鑽し続け、熟練した技術スタッフと最新鋭の設備を武器に「総合板金加工企業」として発展してきた。現在は「第1製造部」と「第2製造部」の2つの部署があり、「第1製造部」では板金製品の受託加工、「第2製造部」では自社製品やOEM製品の開発から組立・試験・完成品出荷・据付まで行っている。

同社の最大の強みは“総合力”だ。薄板から厚板、小物から大物、試作・単品から量産まで全方位に対応できる人材・設備を備え、業種を問わず、設計・プログラムから抜き・曲げ・溶接・パイプ加工・形鋼加工・機械加工・表面処理・組立・調整・仕上げ・納品までワンストップで対応できる。

また、機械加工・精密板金をルーツに発展してきた同社は、寸法精度はもちろん、キズレス・バリレスといった外観品質も徹底的に追求し、品質面でとりわけ高い信頼を得てきた。特に精密製缶の領域では、他社で対応できなかった仕事が同社に舞い込んでくるケースが目立つ。使用材料は鉄50%、ステンレス50%で、少量だがアルミ・銅・真鍮なども扱っている。

画像:半導体製造装置関連も“剣山方式”で安定受注左:曲げ工程。コの字型に配置された計11台のベンディングマシンで大型・長尺製品から精密小物まで幅広く対応する/右:精密板金部品から精密製缶まで対応する溶接組立工程

会社情報

会社名
株式会社 渡辺製作所
代表取締役
渡辺 松次郎
所在地
東京都八王子市叶谷町915-4
電話
042-625-6721
設立
1979年
従業員数
96名
主要事業
精密板金・設計・製作、溶接、製缶、筐体製作、機械加工/ODM/OEM製品・自社製品の開発・生産
URL
http://www.kk-watanabe.jp/

つづきは本誌2020年11月号でご購読下さい。

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