好調を継続する板金企業の暑い夏
経営力向上計画でデジタルエンジニアリング力を強化
2016年度比20%の増収を達成
有限会社 早野研工
生産性改革で大幅増収を実現
㈲早野研工を訪問するのは、2016年にファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJが導入された時以来で、今回が2度目となる。LC-C1AJが導入されて2年が経過し、24時間稼働により2017年度は前年比20%増収。今期も増収が見込まれ、経営改善が進んでいる様子をお聞きした。
訪問当日は、同社で「LC-C1AJ見学会」(アマダ愛知営業所主催)が開催され、その様子も見学させてもらった。会社を挙げて来客を歓待する同社の姿勢は、見学会で工場に訪れた同業者に対しても表れており、早野文仁社長や早野民智夫専務の対応も見事で、LC-C1AJ担当者の講演内容も的を射ており、大好評だった。
ブランク工程の生産性が大きく改善され、曲げ工程の負荷が増えたため、2017年と2018年に大垣本社工場と養老工場にそれぞれベンディングマシンEG-4010とHG-8025を増設。本社工場にはパンチングマシンPEGAの後継機としてEMZ-3510MⅡを導入するなど、積極的に設備更新を進めている。
WILLの導入で“見える化”にチャレンジ
これまで以上に短納期対応が強く求められるようになってきたことから、LC-C1AJ、EMZ-MⅡなどによるブランク加工工程から曲げ、溶接、組立までの工程負荷を平準化し、短納期への対応力を備えるため、2017年に生産管理システムWILLを導入。大垣本社工場と養老工場とをVPNで接続し、加工情報・生産情報の一元管理に取り組んだ。
また、女性パート社員を中心に社員を8名増員、社員数を30名まで増やし、売上増に対応していった。
早野社長は「WILLの進捗端末を十分に使いこなせていないため、まだ正確な進捗・実績情報は収集できていません。しかし、段階的に“見える化”を進めていくつもりです。最終的には作業者全員にタブレット端末を配布し、進捗情報を入力、PDFの図面データや3次元の製品モデルを確認できるようにして、工場内のペーパーレス化を目指します」。
「また、作業者の実績情報から作業者のスキルを判断して、評価にも使えるようにしたいと思っています。そして、受注金額から算定した目標原価に対して実績原価がどれだけで、加工利益がどれだけ出ているのか―得意先・製品別に管理してモノづくりプロセス全体の“見える化”を実現し、経営改善に役立てていきたい」と、WILL導入による生産管理への期待も語っている。
会社情報
- 会社名
- 有限会社 早野研工
- 代表取締役
- 早野 文仁
- 住所
- 岐阜県大垣市多芸島町1-86-2
- 電話
- 0584-89-6598
- 設立
- 1988年
- 従業員数
- 30名
- 主要事業
- 車体開発プレス部品の製作、精密試作板金、各種産業機器部品加工
つづきは本誌2018年9月号でご購読下さい。