大板材対応ファイバーレーザマシン活用事例
トンネル用型枠の国内シェア70%を占めるトップランナー
自動化システムで長時間連続運転と外段取り化による生産性向上を実現
岐阜工業 株式会社
トンネル工事・補修工事に欠かせない型枠技術
岐阜工業㈱はトンネルのコンクリート壁をつくるために必要不可欠なトンネル用型枠の開発・製造・販売を行う国内シェア70%を占めるトップランナー。
これまでの実績は、本州と北海道を結ぶ青函トンネルをはじめ、東京湾アクアライン、北陸新幹線、新東名高速道路、東日本大震災の復旧・復興事業など。直近では、2030年度末に開業が予定されてきた北海道新幹線の札幌延伸にともなう総延長168㎞にもおよぶトンネル工事の型枠受注で80%ものシェアを占めるなど、国内の主要トンネルを数多く手がけている。リニア中央新幹線のトンネル工事にも携わっており、型枠シェア80%を目標にしている。
2023年9月の山陽自動車道・尼子山トンネル火災事故で損傷したトンネルの早期復旧工事にも全面協力した。社会生活のライフラインである鉄道・高速道路・一般道のトンネル工事や補修工事に、同社の型枠技術は不可欠で、社会的にも貢献度の高い企業となっている。
新規事業への参入などで今期は最高売上に
同社の前身である北川機械製作所は、1935年に鉱山用索道機械の製作を開始し、その後、鉱山用索道機械も製作するようになった。1945年に岐阜輸送機㈱を設立し、建設機械および橋梁の製作を開始。1973年に岐阜輸送機のトンネル建設機械部門を独立して岐阜工業㈱を設立。トンネル建設機械、クレーン、コンベア、ゲート、エレベーターなどの製作を開始した。1982年にはコンクリート吹付ロボットを開発し、製作・販売およびセラミックの溶射事業を始めた。
2016年12月に建設機械レンタル事業を手がける㈱アクティオホールディングスのグループ企業となった。
今期は新規事業への参入に加えリニア中央新幹線工事の本格化により最高売上となる84億円を見込んでおり、将来的には100億円企業を目指している。
全社員の1/3以上がエンジニア ― 最大の強みは技術力
同社はトンネルのコンクリート壁をつくるために必要不可欠なトンネル用型枠(セントル)の開発・製造・販売を行っている。セントルとは、トンネル壁面に厚さ30㎝以上の覆工コンクリートを打設する際のアーチ部の型枠のこと。組立式型枠(バラセントル)と移動式型枠(スライドセントル、スチールフォーム)が主であるが、そのほかに特殊な移動機構を備えたテレスコピックタイプも取り扱う。セントル1基には約100トンの鋼材(SS400)が使われる。
これまでに、北は北海道から南は沖縄まで日本の主要トンネルを数多く手がけ、国内シェア70%を占める同社の強みは高い技術力だ。
200名の社員のうち60名が設計・開発のエンジニア。加えて現場にも機械加工の優れた技術者が在籍しており、合わせると全社員の1/3以上がエンジニアということになる。加えて全国展開している二十数名の営業担当者による顧客対応にも定評がある。
先進的技術を採用した同社のセントルには、各種センサーをはじめとした最新技術が組み込まれ、自動化した型枠移動装置およびコンクリート打設システムの搭載が可能で、トンネル工事現場での生産性向上に大きく寄与している。さらに精度の高い機械加工と製缶作業により、美しい高品質のトンネルを仕上げることができ、クライアント、ゼネコンからも高い評価を受けている。
会社情報
- 会社名
- 岐阜工業 株式会社
- 代表取締役
- 宗像 国義
- 取締役社長
- 髙橋 正樹
- 本社
- 岐阜県瑞穂市田之上811
- 木曽屋工場
- 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲木曽屋字馬倉928
- 電話
- 0585-56-0066(木曽屋工場)
- 設立
- 1973年
- 従業員数
- 200名
- 主要事業
- コンクリート型枠を主体としたトンネル工事用機械の設計・製作・販売
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