Sheet now

プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開

4台のサーボプレス順送ラインが主力 ― 600トンサーボも導入予定

株式会社 伊藤製作所

LINEで送る
Pocket

画像:プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開「本社工場」の順送プレスライン。2台のSDEW-3025(300トン)をはじめとするサーボプレス順送ラインが受注拡大に貢献した

「自社内一貫生産」を強みに成長

画像:プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開伊藤雄一社長(左)と伊藤正義専務(右)。ネットワークカメラが各所に設置され、事務所から工場の様子を把握できる

大阪府東大阪市の㈱伊藤製作所は、自動車用コントロールケーブルの取付金具を主力とする金属プレス加工企業。金型設計・製作からプレス加工、組立まで社内で完結する「自社内一貫生産」を強みに、大手自動車部品メーカーとの強力なパートナーシップを構築してきた。

2023年には「第2工場」を開設し、ファイバーレーザマシンやベンディングマシンなどの板金加工設備を一式導入した。これにより「プレス」「金型」「板金」の技術・ノウハウを融合した「ハイブリッド生産」を展開し、数量1個からの開発試作や金型レス加工に対応。「自社内一貫生産」に磨きをかけるとともに、建築内外装パネルをはじめとする一品一様の新規分野の開拓にも乗り出した。

画像:プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開2025年秋に開設する新工場には新たに600トン・ダブルクランクサーボプレスSWE-6040iⅢを導入する

2025年秋には新工場を開設する計画で、「本社工場」の順送プレスラインと金型加工設備、2016年にM&Aで取得した仲井金属㈱のプレス・金型加工設備を集約する。

新工場には、新たに600トン・ダブルクランクサーボプレスSWE-6040iⅢを導入する。最大加圧能力を従来(300トン)の2倍に増強し、長尺・幅広の製品への対応力を高め、取り数を最適化して効率改善をはかる。
600トンのプレス機に対応する金型の設計・製造・外販も展開する。

伊藤雄一社長は「お客さまの要望をすべて受け入れられる体制を構築し、これまでできなかった新しい提案をしていきたい」と語っている。

画像:プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開300トン・サーボプレス順送ラインで加工した自動車用コントロールケーブル取付金具(左:SPCC・板厚1.2㎜、右:SAPH440・板厚3.0㎜)

積極投資で成長加速 ― 直近10年で売上3.5倍

同社は1967年に大阪府守口市で伊藤義之氏が創業した。当初は画材部品のろう付けを行い、翌1968年にはプレス機を導入して金属プレス加工業に参入。自転車用プレス部品なども手がけながら徐々に事業を広げていった。

1972年に現在の主力得意先である大手自動車部品メーカーと取引を開始したのが、大きな転機となった。

主力製品である自動車用コントロールケーブルの取付金具は、プレス加工から組立工程(ゴム入れ・リベッティングなど)まで対応し、部品モジュールとして納入する。1989年には金型を内製化し、金型設計・製作からプレス加工、組立までの自社内一貫生産体制を構築した。

自動車業界で鍛え上げられたQ,C,D対応と、金型技術を背景としたVA提案には定評があり、得意先の有力サプライヤーとして50年超にわたり重要部品の供給を担ってきた。

2013年、先代社長・伊藤慎治氏の急逝により4代目経営者に就任した伊藤雄一社長は、積極的な設備投資により経営改革を強力に推し進めた。プレス加工設備・金型加工設備・測定機器・システム・ソフトウエアを一新し、工場レイアウトを抜本的に見直した。2016年には自動車部品のプレス加工を手がける仲井金属㈱をグループ化した。

画像:プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を展開2023年には「第2工場」を開設し、板金加工設備を一式導入(写真)。プレス・金型・板金の技術・ノウハウを融合した「ハイブリッド生産」を展開し、「自社内一貫生産」に磨きをかけた

会社情報

会社名
株式会社 伊藤製作所
代表取締役
伊藤 雄一
所在地
大阪府東大阪市稲田新町3-8-25(本社)
電話
06-6745-8825
設立
2004年(1967年創業)
従業員数
36名
主要事業
自動車部品、マンションファサード(外壁パネル)、建築・内装・リノベーション部品などのプレス加工、金型設計製作、板金加工
URL
https://www.ito-ss.jp/

つづきは本誌2024年10月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから