特集

新型コロナ・自然災害にも負けず奮闘する岡山県の板金企業

ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指す

浸水被害から2年で生産能力を完全回復

株式会社 ファインテクノ・タケダ

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画像:ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指すパンチ・レーザ複合マシンACIES-2515T+RMP-3015NTK+MARS-3015N

自動車・事務機器・建築・産業用機械など幅広い業種の部品を製造

画像:ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指す武田剛典社長

㈱ファインテクノ・タケダは、プレス加工・板金加工を主体に自動車・事務機器・建築・産業用機械などの部品を手がける鉄・ステンレス・アルミ製品の加工企業である。薄板の切断・抜き・曲げ・溶接を得意とし、プレス加工ライン・板金加工ライン・溶接加工ラインを複数設備しており、量と納期に合わせて、製作するラインを選択することで顧客の要望に最大限応えることができる。

顧客満足を追求するため品質マネジメントシステムISO9001と環境マネジメントシステムISO14001を取得、高品質な製品・サービスを提供すべく、品質管理体制の維持向上に努めている。

  • 画像:ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指す自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCによる曲げ加工
  • 画像:ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指す曲げ長さ3mまで対応するベンディングマシンHG-1303が2台並んでいる

システム構築で生産の効率化をはかる

同社は1971年に武田剛典社長の父親が創業し、当初はプレスで自動車部品を製造していた。1986年には真備工場を建設し、パンチングマシンARIESとベンディングマシンRG 1~2台で板金加工を開始。倉敷市内にあった事務機器部品メーカーの協力工場として、スチール机・ロッカー・キャビネットなどのスチール家具を製造した。1990年代末には建築用金属製品メーカーと取引を始め、製缶板金の仕事も受注するようになった。

2000年には武田剛典社長が入社した。武田社長はもともとコンピュータを使ったシステム構築に強い興味があり、学生時代にはアルバイトをして当時まだ高額だったパソコンを購入し、独学でプログラミングを習得した。大学卒業後は10年ほど大手自動車メーカーの情報システム部門で生産管理システムを構築する仕事に携わった。こうして得た知識は、同社に入社してからも大いに役立ったという。

「父が体調を崩し、戻ってきてほしいと言われ帰郷しましたが、当時の当社にはシステム的なものは皆無でした。まずは業務の効率化を進めようとExcelでVBAを組み、注文がきた子部品の情報を確認できるシートを作成しました。たしかに便利にはなったのですが、新しく注文が入るたびにマスター登録をする手間が発生するようになってしまいました」。

「何か良い方法はないかと模索していたときに生産管理システムWILLを知りました。WILLは生産管理と図面管理のどちらにも対応し、生産指示と図面を1枚の指示書に出力できるのも魅力でした。当時の社長に頼み込んで2010年にWILLを導入。手書きで作成していた生産指示書が、お客さまのEDIを通じてすべて自動で作成できたときには感動しました」(武田社長)。

武田社長は2013年に3代目社長に就任。その後もICTを駆使して社内の技術・ノウハウを共有化し、生産プロセスの自動化に取り組んでいった。

画像:ワンストップに対応する生産体制を構築し、付加価値向上を目指す左:筐体の溶接作業を行う/右:単発のプレスマシンをタンデム化したプレス加工ライン

会社情報

本社
株式会社 ファインテクノ・タケダ
代表取締役社長
武田 剛典
本社
岡山県井原市野上町3000-3
真備工場
岡山県倉敷市真備町有井141-7
電話
0866-63-2400
設立
1972年(1971年創業)
従業員数
92名
主要事業
自動車用部品のプレス加工、建築用金物・事務機器・産業用機械部品のプレス・板金加工・組立、金型・専用機の設計・開発・製造
URL
http://finetakeda.co.jp/

つづきは本誌2022年2月号でご購読下さい。

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