特集

堅調に推移する農業機械の板金需要

農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長

2人の子息が管理と製造を担当、盤石な企業体質を構築

株式会社 三宅製作所

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画像:農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長①ENSIS-AJで加工したSS400・板厚9㎜の小型建機部品/②2019年に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(9kW)+AS-3015G

農業機械業界の変化

画像:農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長左から、三宅寛直工場次長、三宅慎太郎社長、三宅真基人生産管理部長

日本国内の農業を取り巻く環境は、大規模な営農化が進むと同時に、高齢化・労働力不足を補うためのICTなどを活用した農業の高度化が急務となっている。海外では新興国を中心に工業化の進展により農業従事者が減少、その一方で人口増の問題がある。食糧をめぐるグローバル化と市場の変化に対応して、国内の農業機械メーカーでは開発から製造、販売までのビジネスモデルが変革。サプライヤーの統廃合を進める一方、BCP対策から集中購買、2社購買など資材調達の徹底した合理化を進める傾向が高まり、サプライヤー数もここ数年で1/3~1/2に減少している。

画像:農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長左:数年前に全社員にタブレット端末を支給。作業指示書、図面などに加え、リピート品の場合は製品写真や加工注意点なども呼び出して確認できる/右:2.5kWと4kWのレーザ発振器を搭載したパイプレーザ加工機2台が1日10時間以上稼働している

国内で導入事例の少ない溶接ロボットを導入し、量産加工に対応

こうした中で大手農機メーカーの製造拠点がある岡山県内で長年、田植え機・コンバインなどの農機用板金部品を加工する㈱三宅製作所も会社設立45周年をむかえる中で、ものづくり改革に積極的に取り組んでいる。

同社は、農機関連会社に勤め、溶接部門で人材育成などに携わっていた三宅慎太郎社長の父親が1977年に有限会社として設立した。当時は、貸工場で、家族3名のみの溶接工場として、半自動溶接機などを設備し、農機部品の溶接の受託加工をするようになった。

三宅慎太郎社長は1975年に高校を卒業後、父親が働いていた会社に就職したが、1977年に父親が㈲三宅製作所を設立し、新工場を建設したのを機に退社、父親の仕事を手伝うようになった。コンバインに使われる部材の量産加工の引合いが入り、プレス機を導入して加工分野を拡大していった。また、国内でも導入事例が少なかった6軸制御の溶接ロボットを導入、溶接作業の自動化にも熱心に取り組むようになった。三宅社長はロボットのティーチング技術を学ぶため、大阪にあったメーカーの工場の研修に参加した。

三宅社長は当時を次のように振り返る。

「当時、溶接ロボットはまだ得意先にも導入されておらず、価格も1,000万円以上と高額のため、注目されました。ところが万事準備が整った段階で父親が急逝、事業承継を迫られました。当時24歳だった私は経営に関してはまったくの素人でした。そんな中、得意先の資材担当者から見積りや納品までをご指導いただき、大変助かりました」。

  • 画像:農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長ベンディングマシンHG-8025による曲げ加工
  • 画像:農機・建機の仕事が90% ― ものづくり改革により堅調に成長6台の溶接ロボットが稼働する溶接工場

会社情報

会社名
株式会社 三宅製作所
代表取締役
三宅 慎太郎
所在地
岡山県岡山市北区今保1005-1
電話
086-243-4955
設立
1977年
従業員数
22名
主要製品
農業機械部品、建設機械部品、設備関連部品、産業機械部品、その他
URL
https://miyake-factory.co.jp/

つづきは本誌2022年4月号でご購読下さい。

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